19.出店 ページ19
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長いようで短かった夏休みも明けてしまった。
…と言ってもほぼほぼ部活で学校だったし
ちゃかちゃんや松松にも会ってたから
久しぶり感は全くない。
もちろん、部活しかない日も告白はあって
もうすぐ150回を迎えるそう。
好きって自覚したものの“私も”と答えられず
まだ海斗くんの片想いと化している。
今は文化祭の準備中。
私たちのクラスはカフェを、
松松のクラスはクレープ屋をするみたい。
シフトはお互いで確認しあって
オフが被るように提出した。
一緒に回ることになっていて、
それは全部ちゃかちゃんと元太くんのおかげ。
[A〜、部活行くよ?]
『え、ちょ、待ってよ!!』
ちゃかちゃんを追いかけ教室を飛び出す。
部室に向かう最中、女の子と喋る海斗くんを見つけた。
ちゃかちゃんも気になったみたいで2人で立ち止まる。
《あのっ! 文化祭一緒に回らない…?》
[あ、あいつ2組の]
『マドンナだよね』
海斗くんに文化祭のお誘いをしていたのは
学年、というか全学年でもマドンナとして知られている子。
「…俺さ、毎朝告白してるの知ってる?」
《もちろん知ってるよ、Aさんにでしょ?》
「そう、俺その子と回るんだよね、文化祭」
《でもずっとじゃ飽きない?》
《シフト頑張って合わせたとしたって多少はズレるだろうし…》
《ちょっとだけでいいの!! っね?》
[なにあいつ、腹立つ]
『私もちょっとイラッとくるな…笑』
「…俺は! Aちゃんが好きなの」
「一途に思い続けてる事を
ちゃんと伝えたいから毎日告白したりしてんの!!」
「だから君とは文化祭回れない」
「そんな事してAちゃんに勘違いされたくない」
「…だからごめんね」
そう言い残してその場を去っていった海斗くん。
[やばっ、こっち来る]
2人ですぐ物陰に隠れて今見た状況の話をする。
[松倉、あいつスゲーな]
『うん、すごい』
[ちゃんと返事してあげろよ?]
『……うん、そうだね…』
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作者名:*Usanon* | 作成日時:2020年10月10日 19時