18.本心 ページ18
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体育祭からかなり経った今日この頃。
海斗くんの怪我も治り、また4人で学食を食べる。
〈夏休み明けたら文化祭だ!!〉
「おいおい、まだ夏休みになってもねーけど?笑」
[でも出し物決めるのは来週とかじゃね?]
『あ〜、確かに』
もう文化祭か…
って言ってもまだ夏休み前。
入学式の日からは考えられないような生活をしてると思う。
ふと思った。
毎日公開告白から始まって、
毎週木曜日は男友達…? 3人と学食を食べて、
たまたま一緒になった部活に一緒に行って。
平和じゃないかもしれないけど、
これはこれで楽しいかもって思った。
教室に帰ったあとちゃかちゃんが喋りかけてくる。
[松倉の事、どう思ってんの?]
『…どうなんだろうね笑』
[まだ答え出てねーの!?]
『もう分かんなくなってきた笑』
[でもあいつ最近結構モテてるけど大丈夫?]
…そう。
体育祭であったあの騎馬戦でファンが急増。
スウェーデンリレーで好成績を残した
ちゃかちゃんと元太くんもファンが増えたけど、
ちゃかちゃんは他校に彼女いるし、
元太くんは2個上の先輩にアタック中らしくて
いろんな女の子が振られているのを知っている。
だから彼女のいない、
そしてうまく振れない海斗くんがターゲットになるみたい。
今のところみんな空気を読んでて
告白した女の子はいないみたいなんだけど、
そろそろ出てきてもおかしくない。
…私に気があるのもあと少しかもしれない。
『…海斗くん、モテるよね』
『いつか毎朝の告白もなくなっちゃうのかな…笑』
[A]
いつもと声色が違うちゃかちゃんに驚き顔を上げる。
[目、瞑って?]
[あ、チューとか叩いたりとかしないから笑]
『分かってるよ笑』
言われた通り目を瞑る。
[Aは自分の携帯でとっても綺麗な写真を撮れたとする]
[それを一番最初に見せたい人は誰?]
『……海斗くん…っあ』
[A、そういう事だよ]
[Aはもう松倉の事が好きなの]
『私、海斗くんの事好きなんだ…』
そう自覚した時、胸がキュッとなった。
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作者名:*Usanon* | 作成日時:2020年10月10日 19時