episode8 過保護な学園長 ページ9
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「俺が……王……に……」
苦しそうに顔をゆがめるレオナ先輩、消えゆくブロッドの化身。
あたしは彼を苦しめるブロッドを全てを吸収しようと近づいて抱きしめた
『レオナ先輩、もう大丈夫です。
全部あたしに預けてください』
「……」
全てのブロッドがあたしの身体に吸収されていく。
レオナ先輩は毒気の抜けたかのように安らかな顔になり、膝から崩れるようにして倒れた。
『重っ！！ちょ……レオナ先輩！』
体格の差に推し潰れそうになった時、足元にコロン、と黒い魔法石が転がった。
あたしは地べたに座り込むついでにそれを拾ってポケットに入れた。
『はぁ……はぁ……終わった……？』
みんなから安堵の声が聞こえ、これで終わったんだと一息ついた時、ポンポンと誰かに肩を叩かれた。
「Aくん！また傷だらけじゃありませんか！」
『え……学園長！？遅いですよ！』
「これでも急いだ方なんです！
というかAくん、あなたは女の子なんですから身体は大事にしなさいと散々言っているでしょう！」
『ええっ！？頑張ったんだからまず褒めてくださいよ〜！』
いきなりお説教を食らって不満を言うと、彼は地面に膝を着いてあたしをふわりと抱きしめてくれた。
「よしよし、よく頑張りましたね」
『っ……』
幼子をあやすような優しい口調で頭をなでてくれる学園長。
その優しい声は、頭をなでてくれる大きな手は───記憶の中の父親と酷似していた。
父というものはあたしにとっては横暴で自分勝手な忌むべき存在のはず。
だけど懐かしくてあったかい記憶が確かにあることを知り、涙が零れそうになった。
『……くぅ！頑張った甲斐あった!!!はぁ〜学園長いい匂いする〜！』
だからわざとおちゃらけて泣くのを防ぐ。
「ちょっと！Aさん砂だらけの顔を押し付けないでください！
私が砂まみれになっちゃいます！」
『えへへ』
「……Aさん、あなた」
だけど強がって笑うあたしに勘づいたみたいで、学園長は砂まみれの顔を押し付けるなって言ったくせに強く抱きしめてくれた。
……ヴィランのクセに、優しくするなんてずるいよ。
episode9 レオナの謝罪→←episode7 獅子のオーバーブロッド
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あまね(プロフ) - 神作しかなくて困ってますありがとう御座います (1月3日 0時) (
レス) @page11 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - ぜひ最新待ってます！！！！ (2021年11月14日 14時) (レス) @page11 id: 03797417b9 (このIDを非表示/違反報告)
ひよコーン - 今まで見てきたツイステ小説の中でダントツでこれが面白いっす主さん推します。推すことをどうか許してくだせぇ。 (2021年11月13日 21時) (レス) id: 635c8de402 (このIDを非表示/違反報告)
サラ - この作品すごく面白いです！恋愛面もうまく入っていて読んでてニヤニヤが止まりません。更新待ってます頑張ってください！ (2021年4月3日 9時) (レス) id: 9bd7bc073d (このIDを非表示/違反報告)
あはーは - これ打ってたら地震きて焦った (2021年2月1日 23時) (レス) id: 99e5f8b903 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いお
| 作成日時：2020年6月7日 19時
