episode49 新婚? ページ49
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エプロンをして、手際よく朝食の準備をするフロイド先輩。
かっこよすぎて完全に見とれていたらふと目が合った。
「A、塩とこしょうとって」
『はい、どうぞ』
先輩は調味料を受け取ると目を丸くして立ち止まる。
『どうかしました?』
首を傾げると、彼は目じりを下げて人懐っこい笑顔を見せた。
は?かわいすぎない?
「新婚みたいだと思って」
『新婚!?て、手元が狂うので急にそういうこと言うのやめてください……』
「朝から可愛い反応じゃんA。今日の夜も可愛がってあげる───あー、そこの小魚ちゃん。それまだ仕上げの調味料かけてないから運ばないで」
嬉しそうにからかうフロイド先輩は、次の瞬間まじめな表情になってスカラビアの寮生に指示を出す。
「し、失礼しました!」
「オーブンに入れてた野菜、焼き上がりました」
「それはもう味付けてあるから、適当にテーブルにならべていいよ」
「ちょ、朝食の準備が済んでいる、だと?
これは君たちがやったのか。フロイド、A」
すると後ろからジャミル先輩の声が。
振り返ると驚いた様子の彼が立っていた。
……なんか、オクタヴィネルに翻弄されるジャミル先輩が可哀想に思えてきたぞ。
「ウミヘビくん、おはよ〜。そ、オレとAとスカラビアの小魚ちゃんたちが作ったんだ。
アズールがさぁ、ウミヘビくんを助けてあげたい〜って言うから」
「そん……そんな、客人を働かせる訳には」
明らかに焦った様子のジャミル先輩。
彼が寮生のお願いに根負けして毒味をしている最中、後ろからアズール先輩たちが近づいてきた。
「その件についてですが、オクタヴィネルの寮長である僕から、スカラビアの寮長であるカリムさんへ改善案を提出しまして」
「わっ!なんだ急に」
突然の登場に驚いたジャミル先輩をよそに、フロイド先輩はあたしの肩に手を回した。
「アズール、ジェイド、オレたちお揃いのエプロンつけて新婚みたいじゃね?」
悪巧みをして嬉々とした表情のアズール先輩だったけど、次の瞬間気の抜けた顔でため息をついた。
アズール「はあ、浮かれてますねフロイド」
ジェイド「フロイドの気分がいいだけマシですよ、アズール」
アズール「ええ、Aさんのおかげでフロイドの機嫌がいいのでこっちは終始助かってます」
呆れた様子の2人だけどその表情は柔らかい。
認めてくれてるんだと思うと嬉しかった。
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いお(プロフ) - たまちゃんさん» 嬉しすぎるコメントありがとうございます!続編を頑張って作ってますのでお楽しみに(´∀`*)たまちゃんさんにコメントいただいてものすごくモチベーション上がってきたので頑張ります! (2020年6月4日 19時) (レス) id: c501ad88ac (このIDを非表示/違反報告)
たまちゃん(プロフ) - いつも読むたびに心臓持っていかれます!ありがとうございます!毎日更新していただけるだけでありがたいので、体調に気をつけながら頑張ってください。 (2020年6月2日 23時) (レス) id: 51974ad0e9 (このIDを非表示/違反報告)
いお(プロフ) - リリココさん» こちらこそコメントありがとうございます!毎日1ページずつの更新で申し訳ないですが、気長にお待ちいただけたらと思います! (2020年5月24日 20時) (レス) id: a37cd3531f (このIDを非表示/違反報告)
リリココ - あー!きゅんきゅんが暴走します!ありがとうございます! (2020年5月22日 20時) (レス) id: 6a5c4fc28d (このIDを非表示/違反報告)
いお(プロフ) - さくらさん» 今から第4章に突入する予定なので、ジェイドとの話も入れ込めるようでしたら書いていきたいと思います! (2020年5月17日 16時) (レス) id: e94c62de6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いお | 作成日時:2020年5月8日 22時