episode38 スカラビア寮へ ページ38
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翌日、スカラビア寮にて。
「こんにちは、お邪魔します」
「うわー、あっつ。マジ真夏じゃん」
『あの、フロイド先輩……くっついてたら余計熱いと思うんですが』
「「!!?」」
「昨日俺たちをボコボコにしたオクタヴィネルの奴ら!」
「スカラビアに何の用だ!」
「ああ、みなさん。昨晩は失礼しました。
皆さんがか弱い動物を、一方的にいじめているように見えたものですから」
そう言うとアズール先輩は窃盗犯をひっ捕らえ、魔法の絨毯を届ける名目の元ここへ来たと説明した。
「そ、それは……」
「ご協力、ありがとうございます……?」
スカラビアの生徒たちは突然の展開にチンプンカンプンみたいだ。
「おい、お前たちそろそろ朝の特訓の時間だぞ、集合の時間に遅れるとまたカリムに……!!!???」
するとそこに現れたのは───あたしが黒幕だと思ってる、ジャミル・バイパー副寮長。
「おや、ジャミルさんこんにちは。ご機嫌いかがです?」
「アズール・アーシェングロット。それにリーチ兄弟にA……一体、何故ここに?」
「僕達の故郷は、冬は帰省が困難な立地でして」
「毎年ホリデーは寮で過ごしてるんだぁ〜、あはっ」
『あたしも帰るところがないので便乗して着いてきました〜』
「なん、だって……?」
……え?あの冷静なジャミルから、焦りを隠せないような声が。
めっちゃ動揺してるじゃん。
お巡りさーん!絶対この人が犯人です!
「ところで、カリムさんはどこにいらっしゃいます?」
アズール先輩がそう訪ねると、ジャミル先輩は頑なに魔法の絨毯は自分が預かるから、と言って断固として会わせないつもりだ。
うわ、ますます怪しい。
結局強行突破してスカラビア寮の内部へ進んだ。
「さあ、ユウさんとAさんも参りましょう」
「遅れないでついてきてねぇ?
あ、Aは抱っこがいーい?」
『じ、自分の足で歩けます!』
昨日の出来事が過ぎって露骨に視線を外すと、フロイド先輩は歩きながら近づいてきてボソッとささやいた。
「そのカッコ暑いでしょ?中に着てるタートルネック脱いだら?」
『……いじわる』
脱いだらキスマークと噛み跡が丸見えだってのに!
すると突然行く手を阻まれ、抱き上げられた。
「あはっ、ヤバ、Aかわいすぎ」
『うおっ!……下ろしてください!』
「やだ」
ほんと、この男は自由人すぎる!
あたしは結局その態勢のままスカラビア寮へ入っていった。
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いお(プロフ) - たまちゃんさん» 嬉しすぎるコメントありがとうございます!続編を頑張って作ってますのでお楽しみに(´∀`*)たまちゃんさんにコメントいただいてものすごくモチベーション上がってきたので頑張ります! (2020年6月4日 19時) (レス) id: c501ad88ac (このIDを非表示/違反報告)
たまちゃん(プロフ) - いつも読むたびに心臓持っていかれます!ありがとうございます!毎日更新していただけるだけでありがたいので、体調に気をつけながら頑張ってください。 (2020年6月2日 23時) (レス) id: 51974ad0e9 (このIDを非表示/違反報告)
いお(プロフ) - リリココさん» こちらこそコメントありがとうございます!毎日1ページずつの更新で申し訳ないですが、気長にお待ちいただけたらと思います! (2020年5月24日 20時) (レス) id: a37cd3531f (このIDを非表示/違反報告)
リリココ - あー!きゅんきゅんが暴走します!ありがとうございます! (2020年5月22日 20時) (レス) id: 6a5c4fc28d (このIDを非表示/違反報告)
いお(プロフ) - さくらさん» 今から第4章に突入する予定なので、ジェイドとの話も入れ込めるようでしたら書いていきたいと思います! (2020年5月17日 16時) (レス) id: e94c62de6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いお | 作成日時:2020年5月8日 22時