episode19 “タコちゃん” ページ19
side アズール
数十分後、情報を手に入れた僕たち3人はオクタヴィネル寮へ戻ってきた。
フロイドは談話室に入ると「眠い」と言ってソファーに寝そべった。
ｼﾞｪｲﾄﾞ「フロイド、部活には行かなくていいのですか？」
ﾌﾛｲﾄﾞ「今日はバスケの気分じゃなーい」
「では僕と一緒に山に行きませんか？絶好の山日和ですしキノコ狩りでも───」
「ぜってぇ、ヤダ！」
「おや、残念です。では1人で行ってきます」
フロイドが反対するとジェイドは「営業時間までに戻ります」と言って山に登る準備をしに自室に向かった。
「……昼寝したらオルカちゃんに会いに行こうっと。アズール、あと1時間したら起こして」
「自分で起きてください、僕は仕事があります」
「え〜？アズールのケチ」
自由人すぎるフロイドに呆れてその場を離れようとしたものの、ふと疑問が頭をよぎった。
「……そう言えば、フロイドは僕のことタコちゃんと呼ばなくなりましたね」
「え？だってアズールはアズールじゃん？」
「……へ？」
するとフロイドは上体を起こしてニヤリと笑った。
「察し悪いなあ、アズールのくせに」
……それはつまり、僕がフロイドにとって特別な存在であるから？
そう言われると嬉しくて笑ってしまった。
「……そう考えたらオルカちゃんも特別だからAって呼んであげないと。
よし、今日からAって呼ぶことにする」
するとフロイドはポケットに入れていたスマホを取り出してどこかに電話をかける。
「あ、オルカちゃん？今日からオルカちゃんのことAって呼ぶね！」
『……へ？別にどっちでも構いませんけど、なんの御用ですか？』
「ん？それだけだけど？」
『……え？その為だけに電話してきたんですか？』
「何？些細なことで連絡取り合ったらいけねーの？」
『いやそこまで言ってませんけど！』
「あは、A焦りすぎ、ウケる」
Aさんと話すフロイドは───無邪気で幸せそうな顔だった。
「……フロイドにそんな顔をさせるのは、後にも先にも彼女だけだろうな」
「……なんか言った？」
「Aさんに会いに行くのは勝手ですが営業時間には戻るようにと言ったんです」
「分かってるって。ジェイドじゃねえんだからキノコに没頭して仕事に遅れるとか絶対ねえし」
「フフ、確かにそうですね」
あのフロイドが恋なんてと驚く反面───彼らの行先が幸せであるようにと願う僕がいた。
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いお(プロフ) - たまちゃんさん» 嬉しすぎるコメントありがとうございます！続編を頑張って作ってますのでお楽しみに(´∀｀*)たまちゃんさんにコメントいただいてものすごくモチベーション上がってきたので頑張ります！ (2020年6月4日 19時) (
レス) id: c501ad88ac (このIDを非表示/違反報告)
たまちゃん(プロフ) - いつも読むたびに心臓持っていかれます！ありがとうございます！毎日更新していただけるだけでありがたいので、体調に気をつけながら頑張ってください。 (2020年6月2日 23時) (レス) id: 51974ad0e9 (このIDを非表示/違反報告)
いお(プロフ) - リリココさん» こちらこそコメントありがとうございます！毎日1ページずつの更新で申し訳ないですが、気長にお待ちいただけたらと思います！ (2020年5月24日 20時) (レス) id: a37cd3531f (このIDを非表示/違反報告)
リリココ - あー！きゅんきゅんが暴走します！ありがとうございます！ (2020年5月22日 20時) (レス) id: 6a5c4fc28d (このIDを非表示/違反報告)
いお(プロフ) - さくらさん» 今から第4章に突入する予定なので、ジェイドとの話も入れ込めるようでしたら書いていきたいと思います！ (2020年5月17日 16時) (レス) id: e94c62de6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いお
| 作成日時：2020年5月8日 22時
