102話 炎柱の決意 ページ6
.
「ただいま!」
屋敷の門をくぐると一気に慌ただしくなった。
使用人の人たちが集まってきたんだ。
「炎柱様……!みんな、おかえりになられたぞ!」
「……煉獄様!よかった、生きていてくれて……」
「Aさんもおかえりなさい!炎柱様の窮地を救ってくれてありがとう……!」
使用人の人々に囲まれ、その後煉獄の帰宅を記念して快気祝いを催された。
宴は夜まで続けられ、久々にお酒を飲んだ煉獄さんはほろ酔いだ。
「A、今日は一緒に寝よう」
『え……はい!』
お風呂に入ったあと、縁側で月を眺める煉獄さんに声をかけられた。
他愛のない話をしながら煉獄さんの部屋に入る。
一緒の布団で寝る時は、別にお互いにやましい気持ちはなくて、あたしはお兄ちゃんと一緒に寝る感覚と同じだった。
きっと煉獄さんも千寿郎くんと寝る感じと変わらないだろう。
こんなに歳が離れてるんだし、あたしは第一まだまだ子どもだし。
そんなことを思いながら寝床に入って煉獄さんの腕の中にすっぽり収まった。
すると煉獄さんは口を開いた。
「Aが上弦の参から俺を庇って負傷した時、君を失ってしまうかもしれない恐怖に駆られた。
自分の怪我よりAの方が心配でたまらなかった。
だから死の淵をさまよい、Aの声を頼りに目が覚めた時、生きていて良かったと心底思った。
生きているからこそ、また一緒に語り合える。
……ここにこうしていられるのは全部Aのおかげだ」
『でも、あの世の入口であたしを導いてくれたのは煉獄さんのお母様です
とても綺麗で凛として、素敵な方でした。あたしもあんな人になりたい』
「そうか?Aは母上に似ているぞ、特にその瞳が」
『そういう煉獄さんはお父様にそっくりですね。
同じことを言われちゃった、なんだか嬉しいなぁ』
嬉しくて笑っていたら煉獄さんは至近距離であたしを見つめた。
その表情は真剣そのものだった。
「君は俺にとって大切な存在だ。
だからこそ俺は全力で君を守る。
隻眼になったとて、大事なAを鬼に奪われてなるものか!」
『大丈夫です煉獄さん、あたしがあなたの目となります。
全て終わるまで闘いましょう、一緒に!』
「ありがとうA、俺は君と出会えて幸せだ!」
その夜はそれからたくさん話し合った。
翌日煉獄さんの実家に行くことを決め、早めに眠ることにした。
彼の体温と匂いに安心してその夜はとてもよく眠れた。
3212人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まゆ(プロフ) - 続きが気になります!更新楽しみにしています! (2022年5月9日 22時) (レス) @page42 id: d503357f65 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぴぽ - やば‥泣いた………… (2022年1月16日 15時) (レス) @page42 id: d39a98933d (このIDを非表示/違反報告)
*舞夜*(プロフ) - とても面白かったです!! 煉獄さんがいつ自分の気持ちに気づくかとても楽しみです!! 主人公も早く煉獄さんに落ちてほしい( ´罒`*) 更新頑張ってください!待ってます!! (2021年11月9日 1時) (レス) @page42 id: a1507cd74d (このIDを非表示/違反報告)
いぎ - めちゃくちゃ良かったです!続きが気になります!( °∀°) (2021年10月27日 16時) (レス) id: f55d613724 (このIDを非表示/違反報告)
#きのこ - ああああ尊いです 更新頑張ってください('ω')ノ 応援しています(^^♪ (2021年10月13日 15時) (レス) @page42 id: c964701d6c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:いお | 作成日時:2019年10月14日 15時