107話 伊黒と甘露寺 3 ページ11
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寺の内部には立派な仏像が何体も並べてあった。
「この寺で夜な夜な鬼が出現しているらしい。
夜の見回りをしていた巫女が何人か食われたしまったそうだ」
伊黒さんの説明を聞きながら、あたしは一体の仏像が気になった。
なんかおかしいぞこの像。
『あれ、この仏像……』
「何をしている、触って壊すなよ」
『あ、はい……』
結局その像を調べ事はできず、そのまま待機して夜を迎えた。
夜になると、あたしの血の匂いに誘われて鬼が出てきた。
『……ひい、ふう、みい……20体！？なんて数……」』
「狼狽えるな、柱ならば造作もない数だ」
「Aちゃん、私の後ろにいてね」
『はい！……って、あれ？』
襲いかかってきた鬼はみんな同じ容姿をしている。
何かの術で分身してるみたい……だとしたら！
「Aちゃん！？どこへ……」
『本体はこっちか!!!』
あたしは寺の内部へ走り、仏像の首を切った。
「馬鹿！本尊を傷つけるなど罰当たりな……！？」
途端に鬼たちが煙になり、丸太に変化した。
「は？」
「え？どういうこと……」
「ｷﾞｬｧｧｧ!!!なぜ、なぜ俺の位置が!!?」
続いて仏像が悲鳴を上げたと思うと、変化し鬼の形になった。
鬼は灰になりボロボロと崩れていく。
『ふう、一件落着ですね！大丈夫ですかおふたりとも』
「おい、あの仏像が鬼だったのか？そうだとしたらいつ気がついていた」
『あたし、鬼の血鬼術が効かない体質なので仏像が何か変だなとは思ってました
それから、あの鬼は姿を変化させる力を持っていたんだと思います。
血を含んだ丸太で分身を作り、本体は仏像に化けて弱るのを待っていた、そんなところでしょうか？
やってることはさながら忍者ですね』
解説していると、後ろから蜜璃さんが走って抱きついてきた。
「……すごいわAちゃん！可愛くて強いだけじゃなくて洞察力も優れているのね！
助かったわありがとう！」
『えへへ、ありがとうございます蜜璃さん……はっ!!?』
蜜璃さんって言ったら伊黒さんに怒られる！と思って構えていたら、彼は静かな瞳であたしを見ているだけだった。
「今回の件に免じて、お前が甘露寺を名前で呼ぶのは許してやろう。
よくやった、お前を認めてやってもいい」
『あ、ありがとうございます！』
こうして柱との共同任務を無事終え、夜明けと共に煉獄さんの待つ屋敷にたどり着くことができた。
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まゆ(プロフ) - 続きが気になります！更新楽しみにしています！ (2022年5月9日 22時) (
レス) @page42 id: d503357f65 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぴぽ - やば‥泣いた………… (2022年1月16日 15時) (レス) @page42 id: d39a98933d (このIDを非表示/違反報告)
＊舞夜＊(プロフ) - とても面白かったです！！ 煉獄さんがいつ自分の気持ちに気づくかとても楽しみです！！ 主人公も早く煉獄さんに落ちてほしい( ´罒`*) 更新頑張ってください！待ってます！！ (2021年11月9日 1時) (レス) @page42 id: a1507cd74d (このIDを非表示/違反報告)
いぎ - めちゃくちゃ良かったです！続きが気になります！( °∀°) (2021年10月27日 16時) (レス) id: f55d613724 (このIDを非表示/違反報告)
＃きのこ - ああああ尊いです 更新頑張ってください('ω')ノ 応援しています(^^♪ (2021年10月13日 15時) (レス) @page42 id: c964701d6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いお
| 作成日時：2019年10月14日 15時
