伝説の稀血 参【鬼滅の刃】

98話 鋼鐵塚さん ページ2

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煉獄さんが目を覚ましてから2週間後。

あたしはお兄ちゃんと共に蝶屋敷の門の外で「彼」を待っていた。

……ついにこの日が来てしまった。



「A……いざとなったら木の上に登るんだ！
鋼鐵塚さんは木登りが苦手らしい！」

『木の上に登って怒りが収まるの待ってたら日が暮れちゃうよ！
あたしがとっておきの秘策を用意したから大丈夫!!』

「秘策……？」



後ろで怯えるお兄ちゃんは不安そうにあたしの言葉を反復すると、ふと視線を前へ向けた。



「うわぁぁ来たぁ!!!」



そこには出刃包丁を持って走ってくる鋼鐵塚さんの姿が。

あたしはすかさず手に持っていた風呂敷をあけ、鋼鐵塚さんの目の前に勢いよく差し出した。



『どうぞお納めください！みたらし団子です』

「なにぃ!!?みたらし団子だと！？」

(何してるんだA！団子なんかで鋼鐵塚さんの機嫌がよくなるわけが……)



あたしも内心ドッキドキだったけど、鋼鐵塚さんをお団子をじっと見つめると包丁を下ろした。



「……ほほう、分かってんじゃねえか竈門妹。
しかもこいつは行列ができる浅草のみたらし団子じゃねえか！よく買えたな」

『早朝から並びました！褒めてください！』

「偉い！よくやった。
この団子は死ぬまでに食いたいと思ってたんだ！
……しかしお前ら兄妹が俺の刀を揃いも揃って折りやがったことは許さない」

『す、すみません……』



許してはくれたみたいだけど、いきなり声色を変えるものだから恐ろしいったらありゃしない。



「できる限り急いだんだからな！2本の刀を2週間ちょっとで作るなんて異例の速さだぞ！
飲まず食わずで死ぬかと思ったんだからな!!!」

「すみません鋼鐵塚さん！お手数おかけしました！」

『ありがとうございます鋼鐵塚さん！さあどうぞ、お茶を出します。煉獄さんも目を覚ましたので会われてください』

「みたらし団子食ってからな！」



上機嫌に屋敷の門をくぐる鋼鐵塚さん。

お兄ちゃんに「あたしの言った通りでしょ」と目配せして、2人で顔を合わせてこっそり笑った。

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