54話 初任務 2 ページ6
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「愈史郎、このお嬢さんから距離を取りなさい。
それ以上は我々にとっては毒です」
愈史郎と呼ばれた鬼はあたしを睨みつけたまま後ろに下がった。
「間違いありません。この匂い、この
「伝説の稀血!?道理で俺たちを易々と見つけられたわけだ。
……珠世さま!逃げてください、ここは俺が時間を稼ぎます」
「いけません、伝説の稀血が鬼殺隊となると分が悪すぎます。
第一、彼女には血鬼術が効かない」
こちらの出方を伺うばかりで彼らは攻撃しようともしない。
あたしは不思議に思って刀をしまった。
『なんだかよく分かりませんけど敵意はあっても殺意がないみたいですね。
はあ、こんな時お兄ちゃんなら匂いで分かるんだろうな。
お兄ちゃんの嗅覚なんであたしには遺伝しなかったのかなぁ』
ぶつくさ独り言を喋っていると、珠世が目を見開く。
「……竈門炭治郎さんの妹さんですか?」
『なぜお兄ちゃんを!?』
「髪と瞳の色が同じ妹が鬼殺隊にいると聞きました。
私たちは昨夜、炭治郎さんと禰豆子さんに救われた身です。
信じられないかもしれませんが、私たちは人を食わずして生き延びている鬼です」
人を食わずして生きる?
でも、この清らかな気配からそうなのかもしれないと思った。
現にお姉ちゃんは2年もの間人を食わずして生きているわけだし。
『え!ということは昨日お兄ちゃんは浅草にいたってことなんですね!
あちゃー、刀が届くのがあと少し早ければ!』
確信しておちゃらけると2人の鬼は驚いた顔をした。
「……信じていただけるんですか?」
『はい、嘘の匂いが分からなくてもあなたたちが人を食べていないのは分かりました。
気配がお姉ちゃんによく似てますし』
「そうですか……あなたが話が分かる人でよかった」
『あなたたちの件は本部にも報告しません。
きっと何らかの理由があってのことでしょうから。
ただし条件があります』
「……なんでしょう」
『伝説の稀血について知っていることを教えてください』
そう言うと珠世さんは押し黙り、しばらくしてから口を開いた。
「いいでしょう」
「珠世さま!」
「そうしないと彼女に信用されないでしょうから。
見たところ彼女は兄の炭治郎さんより強いです。
柱と同等の、もしくはそれ以上の闘気をまとっている。
話すことで解決するというならばそれに越したことはない」
そういって彼女は一枚の紙をあたしに渡した。
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林 - いえいえ、先走っていたのですみませんっ!!(スライドイング土下座!) (2019年10月14日 16時) (レス) id: 15da3cb52a (このIDを非表示/違反報告)
いお(プロフ) - 林さん» すみません製作途中だったので限定公開にしてました!解除したのでぜひ見に来てくださいd('∀'*) (2019年10月14日 16時) (レス) id: 992332b5ce (このIDを非表示/違反報告)
林 - ログインユーザーじゃないから次回作読めないですわ……でも読めなくても応援してます!(そもそもメアドとかがありませんしね、私 (2019年10月14日 16時) (レス) id: 15da3cb52a (このIDを非表示/違反報告)
いお(プロフ) - リザさん» コメントとお心遣いありがとうございます(*゚∀゚*)毎日更新で頑張ります! (2019年10月13日 10時) (レス) id: 592ede7792 (このIDを非表示/違反報告)
いお(プロフ) - mayumiさん» 返信遅れてすみません!その件に関しては今後解説していこうと思ってます!! (2019年10月13日 10時) (レス) id: 592ede7792 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いお | 作成日時:2019年9月13日 21時