79話 無限列車 3 〜煉獄の夢〜 ページ32
side 杏寿郎
「頑張ろう!頑張って生きていこう!寂しくとも!」
涙を流す千寿郎と抱擁を交わしていると、とんとん、と肩を叩く感覚が。
振り返ると満面の笑みのAがいた。
『煉獄さん、あたしがいるから大丈夫ですよ!
千寿郎くんももう心配いらないよ!』
「A……」
『あたしは煉獄さんの自慢の継子ですから!
炎の呼吸だって、途絶えさせることなく後世に継承してみせます』
「A……ありがとう」
俺はAを抱き寄せた。
君は本当に、太陽のようだ。
その心の豊かさで人の心を明るく照らす。
「A、俺は───」
口を開いたその時、抱きしめていたAが消えた。
……これはいったい……!?
「父上!!!」
すると突然廊下の角から飛びだした、幼いころの俺によく似た子どもが足元に抱きついてきた。
「父上、今日も稽古をつけていただけますか!?」
「父上……?君はいったい……」
『だめよ、安寿郎』
あんじゅろうと呼ばれた男児は手を離した。
はっとして顔を上げると、そこには美しく成長したAの姿があった。
『父上は疲れていらっしゃるのだから無理させないで』
Aの腕の中には、彼女と同じ赤い髪と瞳の赤子が抱かれ俺を見つめている。
「……A、か?」
『はい?杏寿郎さんったらどうしたんですか不思議そうな顔をして』
「君は俺の継子だ。それに君はまだ13歳───」
『継子も何も、あたしはあなたの妻ですよ?』
「……!!?」
確信した、これは夢だ。
そう思いながらも、俺は嬉しかった。
こんな平和な夢ならずっと見ておきたい。
『煉獄さん!煉獄さん!』
突如、頭の中に響くAの声。
『お願い起きて……!このまま眠ったままなんて嫌だ!煉獄さん……!』
……そうだ、夢にうつつをぬかしている場合ではない。
Aが泣きながら俺を呼んでいる、行かねば。
俺はついに夢を破って覚醒した。
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林 - いえいえ、先走っていたのですみませんっ!!(スライドイング土下座!) (2019年10月14日 16時) (レス) id: 15da3cb52a (このIDを非表示/違反報告)
いお(プロフ) - 林さん» すみません製作途中だったので限定公開にしてました!解除したのでぜひ見に来てくださいd('∀'*) (2019年10月14日 16時) (レス) id: 992332b5ce (このIDを非表示/違反報告)
林 - ログインユーザーじゃないから次回作読めないですわ……でも読めなくても応援してます!(そもそもメアドとかがありませんしね、私 (2019年10月14日 16時) (レス) id: 15da3cb52a (このIDを非表示/違反報告)
いお(プロフ) - リザさん» コメントとお心遣いありがとうございます(*゚∀゚*)毎日更新で頑張ります! (2019年10月13日 10時) (レス) id: 592ede7792 (このIDを非表示/違反報告)
いお(プロフ) - mayumiさん» 返信遅れてすみません!その件に関しては今後解説していこうと思ってます!! (2019年10月13日 10時) (レス) id: 592ede7792 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いお | 作成日時:2019年9月13日 21時