78話 無限列車 2 ページ31
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元気の無い車掌さんだな、頬もこけてるし、過労かな?
『お疲れ様です、お願いします!』
「拝見しました……」
上の空で様子がおかしい。
怪しいと思って車掌さんについて行くことにした。
次の車両に移り、注意深く彼を観察していると、当たりがやけに静かなことに気がついた。
……切符を切った乗客が一人残らず寝ている。
まさか、血鬼術!?
だとしたら煉獄さんとお兄ちゃんたちが危ない!
慌てて元の車両に戻ると人の気配を感じた。
あたしは空いた席に隠れ様子を伺った。
……あたしと歳の変わらないような子どもがが5人いる。
彼らは鬼殺隊員にひとりずつ縄を繋ぎ、そして眠った。
「あれ?もうひとり、女の鬼狩りがいるはず……う゛っ!!!」
あたしを探していた少年に一気に間合いを詰め、手荒だけど鳩尾を殴り気絶させた。
「お兄ちゃん!……あっ……」
お兄ちゃんは眠りに落ちたまま悲しそうに泣いていて、いくら揺さぶっても起きなかった。
その時突然、煉獄さんが立ち上がり、縄がつながっていた女の子の首を片手で締め上げた。
『煉獄さん!何して……』
でも起きたわけじゃない。眠っているけれど、何か危険を感じ取って女の子の首を締めたんだ。
一刻も早く煉獄さんを起こさないと。
「起きないと、夢だ。起きないと」
『……お兄ちゃん、大丈夫だからね。
そうだ!お姉ちゃん、お願い力を貸して!』
苦しそうに寝言を言うお兄ちゃんに言葉をかけ、あたしはお姉ちゃんが入った箱を開けた。
「厶!?」
『お兄ちゃんたちが突然眠っちゃったの!多分鬼の血鬼術だと思う!でもどうしたらいいか分からなくて……!』
「……」
お姉ちゃんは狼狽するあたしの手をぎゅっと握った。
はっとして目を合わせたその瞳は強い光を放っていた。
……そうだ、あたしがしっかりしなきゃ。
この状況を打破できるのは鬼の血鬼術が効かないあたししかいないんだ。
『お姉ちゃん、この縄を血鬼術で燃やして。
拘束するにしても寝ているのなら意味が無い、なにか裏があるはず』
あたしは冷静になり、お姉ちゃんに繋がれた縄を全て燃やしてもらうことにした。
『お姉ちゃん、お兄ちゃんと煉獄さんからお願い、あと、切符も一緒に───』
「あぁぁぁぁ!!!」
指示を出したその時。
叫び声を上げ、お兄ちゃんが夢から覚醒した。
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林 - いえいえ、先走っていたのですみませんっ!!(スライドイング土下座!) (2019年10月14日 16時) (レス) id: 15da3cb52a (このIDを非表示/違反報告)
いお(プロフ) - 林さん» すみません製作途中だったので限定公開にしてました!解除したのでぜひ見に来てくださいd('∀'*) (2019年10月14日 16時) (レス) id: 992332b5ce (このIDを非表示/違反報告)
林 - ログインユーザーじゃないから次回作読めないですわ……でも読めなくても応援してます!(そもそもメアドとかがありませんしね、私 (2019年10月14日 16時) (レス) id: 15da3cb52a (このIDを非表示/違反報告)
いお(プロフ) - リザさん» コメントとお心遣いありがとうございます(*゚∀゚*)毎日更新で頑張ります! (2019年10月13日 10時) (レス) id: 592ede7792 (このIDを非表示/違反報告)
いお(プロフ) - mayumiさん» 返信遅れてすみません!その件に関しては今後解説していこうと思ってます!! (2019年10月13日 10時) (レス) id: 592ede7792 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いお | 作成日時:2019年9月13日 21時