73話 炭治郎と禰豆子 6 ページ26
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「では柱合会議を……」
「ちょっと待ってください!!」
……が、お兄ちゃんは納得できなかったらしく
お館様が口を開いたと同時に、走って戻ってきたのだ。
『ああっもう!お兄ちゃん、戻ってこなくていいから!!』
「その傷だらけの人に頭突きさせてもらいたいです、絶対に!!」
「黙れ!黙っとけ!!」
「禰豆子を刺した分だけ絶対に!!!
頭突きなら隊律違反にならないはず…」
気持ちは分かるけど上官にしたらダメでしょ。
あたしが盛大にため息をついたその時、隣にいた時透くんが小石を拾った。
「はぶぇ!」
時透くんはその小石をお兄ちゃんに投げつけた。
は、速い!
小石が見事命中したお兄ちゃんはなんともお間抜けな声を上げてドッ、と地面に倒れた。
「お館様のお話を遮ったら、駄目だよ」
「もっ、申し訳ありませんお館様」
「時透様」
「早く下がって」
隠の2人は何度も頭を下げ謝罪した。
その隙に、あたしは顔見知りの隠・後藤さんに対して声を張り上げた。
『後藤さん!兄をよろしくお願いします!』
「名指しすんなバカ!俺は一刻も早くここから離れたいんだよ!」
『ええ〜……すみません』
後藤さんは半泣きでそう言うと走っていってしまった。
お兄ちゃんが見えなくなった方角を見ていると、お館様があたしの方をじっと見つめてきたので慌てて謝罪した。
『兄が申し訳ありません…』
「Aは早く血を拭った方がいい。君の血は実弥の比ではない。
鬼を呼んでしまうよ」
『あ!はい、えーっと手ぬぐい……』
「ほんと君って手間がかかるね。
それにお屋敷に土足で上がるなんてどういう神経してるの?」
手拭いをポケットから探していると、時透くんが素早く自分の手拭いを取り出して口元を拭いてくれた。
……言葉は乱暴だけど結局優しくしてくれるんだよね、不思議な人。
『むぐっ…ごめんなさい……』
「はい、終わり。
血がついた石は自分で拾って洗うんだよ」
『ありがとう時透くん』
時透くん、と面と向かっていうのは今日が初めてだ。
実は初めて出会ったあの時から文通をしているので時透くんと呼ばせてもらっている。
「Aはこちらへ」
『はい、にちかちゃん!
あ、にちか様……!畏まりました』
血のついた小石を拾い終わると、にちかちゃんに呼ばれたから立ち上がってそちらに向かった。
去り際『失礼しました!』と柱に挨拶すると、不死川さんと伊黒さん以外は優しい眼差しを送ってくれた。
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林 - いえいえ、先走っていたのですみませんっ!!(スライドイング土下座!) (2019年10月14日 16時) (レス) id: 15da3cb52a (このIDを非表示/違反報告)
いお(プロフ) - 林さん» すみません製作途中だったので限定公開にしてました!解除したのでぜひ見に来てくださいd('∀'*) (2019年10月14日 16時) (レス) id: 992332b5ce (このIDを非表示/違反報告)
林 - ログインユーザーじゃないから次回作読めないですわ……でも読めなくても応援してます!(そもそもメアドとかがありませんしね、私 (2019年10月14日 16時) (レス) id: 15da3cb52a (このIDを非表示/違反報告)
いお(プロフ) - リザさん» コメントとお心遣いありがとうございます(*゚∀゚*)毎日更新で頑張ります! (2019年10月13日 10時) (レス) id: 592ede7792 (このIDを非表示/違反報告)
いお(プロフ) - mayumiさん» 返信遅れてすみません!その件に関しては今後解説していこうと思ってます!! (2019年10月13日 10時) (レス) id: 592ede7792 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いお | 作成日時:2019年9月13日 21時