68話 炭治郎と禰豆子 ページ21
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『煉獄さん、ありがとうございました!おかげでぐっすりです』
「うむ!やはりAには笑顔が似合うな!」
翌日、あたしは晴れ晴れとした気持ちで宿を出た。
「では柱合会議に向かうか!」
『はい!』
お館様のお屋敷に向かう途中、冨岡義勇によって那田蜘蛛山を拠点とする十二鬼月が倒されたという情報が入った。
今回の任務がなければあたしもそっちに向かうはずだったとか。
……お兄ちゃんが泊まっていた宿と近いから、もしかするとそこに行っていたのかもしれない。
無事でありますように。
そうこう考えているうちにあたしたちはお館様のお屋敷に一足先にたどり着いた。
まだ屋敷には誰も来ていなかった。
「A」
『にちかちゃん!会いたかったよ!』
あたしは真っ先に、お館様のご令嬢であるにちかちゃんのもとを向かった。
彼女とはここで会って以来友達だ。
書斎に案内してくれた彼女は1冊の古びた冊子を手に取るとあたしに差し出した。
「これをあなたに見せたかったの」
「“少女
表紙にはそう書かれてあった。
鬼譚って、奇譚と同じ意味かな。珍しい伝承、不可思議な話って意味だよね?
『これは?』
「150年前に生まれた伝説の稀血が綴った日記よ。
伝説の稀血の特性について、詳細が書いてある」
『え!?これが!!?』
これが珠世さんが言っていた、伝説の稀血が残したと言われる書記!?
あたしは慌てて表紙をめくった。
……が。
『……読めない』
江戸時代後期の文献はあたしには読めなかった。
「ふふっ、そうだろうと思って意訳しているものをこちらに書き写したわ」
『ありがとうにちかちゃん!なんて優しいの!』
にちかちゃんは真新しい冊子をあたしに差し出した。
あたしは時間をかけ、一心不乱に読み漁った。
「書記は全部で5冊あってね、これはそのうちの1冊目。
彼女の生い立ちと鬼舞辻無惨との出会いまでが書かれている」
『……この人、壮絶な人生だったんだね。
親に暴力を振るわれ、遊郭に売られて、そこでもいじめられて蔑まれて……』
「ええ、彼女にとっては鬼舞辻無惨は救世主だったのよ」
『……』
言葉を失い、口を閉ざしたその時だった。
「妹は俺と一緒に戦えます!鬼殺隊として人を守るために戦えるんです!」
窓から聞こえたのは───炭治郎お兄ちゃんの悲痛な叫びだった。
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林 - いえいえ、先走っていたのですみませんっ!!(スライドイング土下座!) (2019年10月14日 16時) (レス) id: 15da3cb52a (このIDを非表示/違反報告)
いお(プロフ) - 林さん» すみません製作途中だったので限定公開にしてました!解除したのでぜひ見に来てくださいd('∀'*) (2019年10月14日 16時) (レス) id: 992332b5ce (このIDを非表示/違反報告)
林 - ログインユーザーじゃないから次回作読めないですわ……でも読めなくても応援してます!(そもそもメアドとかがありませんしね、私 (2019年10月14日 16時) (レス) id: 15da3cb52a (このIDを非表示/違反報告)
いお(プロフ) - リザさん» コメントとお心遣いありがとうございます(*゚∀゚*)毎日更新で頑張ります! (2019年10月13日 10時) (レス) id: 592ede7792 (このIDを非表示/違反報告)
いお(プロフ) - mayumiさん» 返信遅れてすみません!その件に関しては今後解説していこうと思ってます!! (2019年10月13日 10時) (レス) id: 592ede7792 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いお | 作成日時:2019年9月13日 21時