【鬼滅の刃】少女鬼譚〜鬼と稀血〜

其ノ伍 上弦の肆・伍 ページ6

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「半天狗さま、玉壺さま」




無限城に戻ったわたしは上弦の肆と伍をよびだしてもらった。




「ﾋｮｯﾋｮｯ、出たな顔と血だけが取り柄の女め」


『あら私の顔と血はお嫌い？』


「加えて生意気だな、だがそこがいい」




玉壺さまは相変わらず奇想天外な姿をしている。




「ヒィィ、恐ろしい恐ろしい……お前の美しさに目が眩む」


『半天狗さま、あなたとは2年振りですね。
いつもどうして逃げるんです？』


「ﾋｨｨｨ!!」




久しぶりに出会えた半天狗さまに近づくと彼は悲鳴を上げた。


次の瞬間───




「カカカッ！喜ばしいのう、久方ぶりにAに会えた」


「2年ぶりだというのに腹立だしいほど美しいなA」


「のうA、儂と夜空を散歩せんか。きっと楽しいはずじゃ」


「いつにまして憂いのある綺麗な顔立ちよ……哀しくなるほど惚れ惚れする」




いつの間にやら分裂した喜怒哀楽に囲まれてしまった。


……なんでこうなった？




『……玉壺さまなんとかして』


「私に丸投げするな！
元はと言えばお前のせいで分裂したのだろうが！」


『つめたーい玉壺さま。
乙女には優しくするものよ？』


「カカカッ、いっそAに嫌われてしまえば喜ばしい」


「乙女の呼び掛けに冷たく接するとは腹立だしい」


「こうして玉壺はAに嫌われていくのかのう、敵がひとり減って楽しいな」


「乙女心などこやつに分かるまい、哀しいのう」


「お前らいっぺん黙れーー!!!」



その後、喜怒哀楽と玉壺さまで口論になってしまい、ちょっと面倒になってしまったのでお二方にはおかえりいただいた。

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