満月の夜に【ワンピース】 (ページ4)

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４話ページ4

ーハルタsideー

「どこ行ったんだあの裏切り者」

「サッチ隊長が苦しんでるのを
どっかで笑ってんだろ」

そんな声が聞こえてきた。

違う！そんなことない！！僕はっ！！

そう叫んでしまいたかった。

でも、イゾウにとめられた。

よかった叫ばなくて。

ここにいるのがバレたらイゾウだって

何か言われてしまうかもしれない。

僕のせいでイゾウが傷つくのは嫌だ。

だから、僕は彼らが去っていくのを待った。

そして、僕がイゾウに迷惑をかけないために

ここから去ろうと立ち上がった。

その時だった。

グラッと船が揺れて僕の体がふわっと浮いた。

目の前にはイゾウの驚いた顔。

ここは甲板の隅。

あぁ、おちる。

そうわかると、なんだろう別に怖くなかった。

でも、ひとつだけ伝えておかなくちゃ。

「サッチが目を覚ましたら、
サッチをティーチから守って。
よろしくね、イゾウ」

そう言った瞬間、

ドボンっという音がして僕は海に落ちた。

最後に見えたのは、

泣きそうな顔でこちらに手をのばすイゾウ。

最後に聞こえたのは、

僕の名前を呼ぶイゾウの声。

ごめんね、イゾウ。

そんなこと考えながら

僕の意識は暗闇へと沈んでいった。