満月の夜に【ワンピース】 (ページ3)

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３話ページ3

ーハルタsideー

「どうしたんだ、そんな顔で走ってきて。
可愛い顔が台無しだぞ？ハルタ」

「イゾウっ………僕、守れなかったっ………
サッチを守れなかったぁぁっ……」

「どういうことだ？
ゆっくりでいいから話してみろ」

「ティーチがサッチの見つけた実を欲しくて、
サッチを殺そうとしてるのを知ってたのに
僕、とめられなかった。

大好きなサッチが真っ赤になっていくのが
僕の非力さを表しているようで
怖くて動けなかった。

そうしてるうちに、ティーチに
サッチを刺したのは僕ってことにされた。

僕は皆、僕の意見も聞いてくれるって
思ってたのに………

マルコもエースもビスタも
聞いてくれなかった。
誰も僕を信じてくれなかったっ

僕、どうしたらいいの？
もうここにはいられなくなるの？
僕、ここにいたいよ。
もっと皆と一緒にいたいっ」

ポロポロと涙がとまらない。

僕はもうどうしたらいいのかすら

わからない。

考えることもままならなくて

イゾウの腕の中で泣いていると

イゾウに頭を撫でられた。

「？」

「大丈夫だ。俺はハルタを信じる。
ハルタはそんなことしないもんな。」

「うん」

「それと、マルコをあんまり恨んでやるな。
あいつは小さい頃に親に捨てられてな、
サッチとはその頃からずっと一緒にいるんだ。
あいつからしてみれば、
サッチは本当に血の繋がった兄弟なんだろう。
大切な存在だったはずだ。

だから、サッチがあんなめにあわされたら
冷静ではいられないんだろうな。

俺も同じだ。
ハルタがサッチと同じ状況になったら
冷静ではいられない。

………だから、酷な話かもしれないが
皆をあまり恨まないでやってくれ」

「わかってる。
僕は皆が大好きだから。」

僕がイゾウに返事をした時だった。

ドタドタと足音がして

上の階を誰かが走っていったのは。