満月の夜に【ワンピース】 (ページ1)

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１話ページ1

ーハルタsideー

僕がハルタに成り代わって２０数年。

ハルタが女になったわけだから

色々大変なことが起きてしまった。

白ひげこと親父は女性を戦闘員として

船には乗せないはずってことで

僕は男装することにした。

１０才の時に拾われて、最初は自分のことを

“俺”って言ってたんだけど、

皆に似合わないって連呼されて仕方なく

“僕”に変えたらものすごく笑われて

嫌だったのを覚えてる。

まぁでも、皆からしたら自分たちの真似をする

弟って感じだったんだろうな。

末っ子だったからすごく可愛がってもらえた。

特に少しだけ年の離れた

マルコ、イゾウ、サッチの３人から。

マルコは不死鳥の姿で乗せて飛んでくれたし、

イゾウはいつも僕のそばにいてくれたし、

サッチは特別だぞって笑って

スイーツを作ってくれた。

女の子だってバレないようにするのは

大変だったけど僕はとっても幸せだった。

この後起きる最悪の未来を忘れてしまう程に。

エースが入ってきて、末っ子じゃなくなって

皆と変わらず楽しく暮らしているときだった。

サッチが敵船から

“ヤミヤミの実”を拾ってきて

それをきっかけに原作を思い出したのは。

今日、サッチはティーチに殺'される。

僕はサッチのいいところも、

ティーチのいいところも知ってる。

だから二人共助けたい。

そんな考えが甘かったんだ。

足元には真っ赤に染まったサッチとナイフ。

目の前には、笑っているティーチ。

そして、近づいてくる足音。