記憶を無くした私の話【歌い手】

日常3 ページ22

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さかたが神社の扉をあけてにこっと笑って

「どうぞ」

と招き入れてくれた





『お...おじゃましまぁーす...』


と小さな声でつぶやいてそっと足を踏み入れた




「こっち」





と誘われるがままに後ろについて行く



さかたはある部屋の前でピタッととまりこちらに振り返った




「ここ、俺の部屋！先入ってて！飲みもんとお菓子持ってくるから！」




そう言って彼は駆け足でどこかへ行ってしまった





ここの部屋でいいんだよね...？


そっと扉を開け中に誰もいないことを確認し
中に入った




予想とは違い、ベッドやクローゼットなどの必要な物しか部屋に無くスッキリと片付いていた

部屋の中は赤が基調になっている

さかたんらしいな

と思いながらもどこに座ればいいのかわからず部屋の中をうろちょろしていた




ガラッ




いきなり扉が開いた


パッと視線を移すとさかたんだった




『ちょっビックリさせないでよ！！』



「俺そんなつもりない！！w」




はぁーはぁーびっくりしたぁ...



「そんなことより座らんの？」


『どこに座れば...』


「あーそんなんここに決まってるやん」





そう言って彼が指さしたのは




赤い色の







ベッド





いやいやいやいや無理でしょ！！


初の彼氏の家で！！

ベッドに座れって！！

ちょっと無理がある！！

やらしーこと考えてんじゃないでしょうね？！




『いや...ちょっとベッドは...ね？？』


「なんで？？？？」





キョトンとした顔で首を傾げてこちらを見つめる





かわいいなぁ！！




「そんなことよりちょっと早くこれ置きたい」




と言いながらお盆に乗った飲み物とお菓子を上下させる




『どこに机あるの？』


「あーあの、そこのベッドの下...ってやっぱあかん！自分で出すからちょっとこれ持ってて！」


『いいよ私出すよ？』


「あかん！はい！これ！！」




と急に挙動不審になり出したさかたん

なんだよ急に()

と思ったけどやっぱ口には出さない



机を組み立て終えたさかたんは私からお盆ごと取りあげて机の上にそっと置いた









.




おまけ

〜さかたんの心境〜


お盆で両手ふさがってたから机出してもらおうと思ってベッドの下に机があるって言うてんけどな？


さすがに俺も男...



やましいものがあるわけで



バレへんようにベッドの下隠したのにそんなん出させたらバレるやん()

何してんの俺()



必死にバレないように動いた結果


変な顔された()

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