Another World 【HiGH＆LOW】

Season1《Thurteen》 ページ14

あれからと言うものの、門限でさえ守れない自分の娘にどう罰を与えるべきか、Rockyは頭を抱えていた。

Aは門限に遅れた日トラブルに巻き込まれたと言っていたが、それ以上は教えてくれなかった。

何にせよ遅れた事は事実。

そこは甘やかさず、ちゃんとするべきだ。

悩んでいるRockyの側にRockyの執事の様な存在である、KOOが近付いてきた。

「Rocky。少しお時間いいですか？」

「どうした？」

KOOがRockyに提案したAへの罰は…

『よりによって朝早くからオープン前までに1人でクラブHeavenの掃除と準備とか…辛過ぎる』

誰もいないクラブHeavenで独り。

溜め息をついて、床にモップをかける。

門限が守れなかった為、Rockyが代わりに出した条件だ。

学校がある平日は無理なので、土日祝日のみの罰則。

普段はクラブHeavenで働いているキャストさんや、Rascalsのメンバーがする仕事。

しかし、最近有り難い事にHeavenは忙しくなっており、従業員達を満足に休ませる事が出来ないのが現状。

そこでKOOがRockyにAに対する罰則を、今まで従業員達が行っていた仕事を朝からオープン前の夕方まで1人でしてもらう。

何とも面倒くさい罰則を出して来た。

Rockyも悩みに悩んでOKを出した。

実際の所A自身は、いつもお世話になっているキャストさんの助けになるならば、こんな事くらいお安い御用である。

しかもHeaven位の広さであれば1人だと時間はかかるけれども、掃除して準備する位には十分余る程である。

そして1人でやらせると言った割には少しRascalsのメンバーが、顔を出しては手伝ってくれる。

それでもやはり1人で仕事をしなくてはならない時間は出てくるので、鬼邪高のいつメンと遊びたい気持ちを抑え、その時は黙々と掃除。

あともう1つ、AにはRockyから頼まれた大事なやる事があって…

“それ”はソファの下や、お手洗いによくある、赤い物体。

掃除していてもちらほらと見つかる。

『はぁ…また見つけちゃったよ…“レッドラム”。』

“レッドラム”とは簡単に言えば、“違法ドラッグ”の事。

最近よくSWORD地区に出回り始めた物で、Heavenにも出回り始めていた、少数ではあるがここのキャストさん達も被害にあっている。

Rocky達もキャストやメンバーの皆に、注意を呼びかけてはいるが、手遅れな場合もある。

被害が広がる前に止めなければと思っているが中々思う様にはいかない。

皆は、相当頭を抱えているはずだ。

なんとかしないと…

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