Chapter：２３ ページ24
.
ずっと、知りたいようで、知りたくなかったこと。
何となく、そうなんだろうって、勝手に思ってて。だから、いざ、本当にそうであったことに、やっぱりちょっと、自意識過剰すぎた自分が恥ずかしいのと、複雑な思いと、何より、罪悪感と、後悔。
俺のせいで、妹の可能性を潰してしまったこと。
きっとそれは、人生で最大の、後悔、だ。
『でも、でもね。私はこれで良かったと思ってる。だって、そのおかげで勉強もしっかり出来たし、資格取得も沢山出来たし、何よりクワドリンガルにもなれたんだよ。今じゃ、自分の強みを活かせた仕事も出来てる。バレーを続けてたら、こんな事も経験出来なかった。だから、まさには本当に感謝してる。私の人生を変えてくれて、本当にありがとう』
その言葉に、つい、涙が滲んで。
あぁ、やっぱりAは、強い。
「...俺こそ、お前のおかげで、ここまで来れたんだよ。お前の分まで、頑張るって。世界に通用する選手になるって。Aのおかげで、俺も今ここに居る。...沢山傷つけて、ごめんな。...これからは、一緒に戦お。お前のサポートがなきゃ、兄ちゃん、頑張れない、から」
最後は言葉にならなくて、かっこ悪いけど、ボロボロと涙が溢れた。
そんな俺を見てAもボロボロ泣き出して、『まさのばーーか！！！泣かせんなよぉおお』なんて、鼻水もめちゃくちゃ垂らしてて。
きったな、なんて言ったら更にやばそうだからやめておく。
『まさ、明日から更に気合いいれよ』
「当たり前だろ。勝つぞ、世界に」
『あははっ、かっちょい〜〜』
あれから、8年が経過して。
ようやく、普通の兄妹に、なれた気がした。
ーーー
ーー
合宿も終盤に差し掛かっていた。
あれから、関さんと関田さんは、何だかめちゃくちゃ仲良くなっていて。あんなに壁があったのに、そんな壁初めから無かったかのように、お互いスッキリした表情をしていた。
きっと、しっかり話し合えたのだろう。
良かったね、関さん。
何だか俺も、凄く嬉しかった。
「Aさーん、ドリンクちょーだい」
『あのねぇ、藍くん？私マネではないんだけどねぇ。仕方ない、ほれ！』
「やっさしぃ！さすがAさん♪」
そして、最近やけに目につく事がある。
それは、関田さんと藍の距離がやたら近いことだ。
「祐希、眉間に皺寄ってるよ」
山内さんにそう言われて、ハッとして、サーブ練に戻った。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 917人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こめお(プロフ) - だっちゃん。さん» 全然です！宮浦選手めちゃめちゃ可愛かったです！笑ありがとうございます！本当に連載お疲れ様でした！ (10月23日 22時) (
レス) id: 121e674881 (このIDを非表示/違反報告)
だっちゃん。(プロフ) - こめおさん» こめおさんありがとうございます！！番外編を書きましたがご希望通りになかなか進めれず申し訳ございません.... (10月22日 20時) (レス) id: ff3705be26 (このIDを非表示/違反報告)
だっちゃん。(プロフ) - けるさん» けるさんありがとうございます！！何とか毎日更新から無事に完結することが出来ました！！もし次回作思いつけば頑張ります！！！！ (10月22日 20時) (レス) id: ff3705be26 (このIDを非表示/違反報告)
こめお(プロフ) - だっちゃん。さん» 完結おめでとうございます！番外編楽しみにしています！！！ (10月21日 14時) (レス) id: 121e674881 (このIDを非表示/違反報告)
ける(プロフ) - 毎日 更新されたかな？と楽しみに待ってました！完結おめでとうございます！楽しく読ませていただきました！また楽しみにしてますね！ (10月21日 12時) (レス) @page49 id: 1fd309d1cb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：だっちゃん。 | 作成日時：2023年10月9日 21時
