そして君は笑った。

彼等と共に立つ舞台。 ページ32

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ワールドカップが始まった。



会場は沢山の声援と歓喜で包まれている。選手達も、みんな良い表情をしていた。誰もが、いつも通りで、そして、誰もが勝ちたいと、願っていた。



試合が始まり、私は鳥肌が立った。



この、感覚。


コートに強く落ちるバレーボール。

シューズのキュッと言う音。

沢山の声援。



あぁ、まるで、私もコートに居るみたい。



あの頃のようにボールを貰いスパイクを打つ。熱気と集中力で手に汗が滲み、それでもボールを追い掛ける。



柳田さんの鋭いサーブ。

清水さんの力強いスパイク。

深津さんの鮮やかなトス。





祐希の、綺麗なフォーム。

高い高いジャンプ。


そのフォームから繰り出される、サーブ、ブロック、そして、スパイク。


点を決めた後の祐希のガッツポーズは本当にかっこよくて、そして常に笑顔で元気が良くて。




あぁ、本当に彼等と夢を叶えてる。




そう思えた。






エジプト戦、３−２の接戦の末、日本は歓喜余る勝ちを収めた。






その後の全ての試合も。

彼等は私と共に戦ってくれて。


格上の相手にも、最後まで食いついて。

何度も何度も、惜しい試合だってあった。



それでも、彼等は最後まで諦めず、戦った。



再び、全日本男子バレー名が、日本のバレーの名が、世界に広まった。





５勝６敗。


ランキング６位。





惜しくもオリンピックには届かなかったが、日本は上位に食い込んだ。次は来年行われる世界最終予選。この大会で、オリンピックへの出場国が決まる。



一ヶ月間の熱い戦いは。




熱戦の末、静かに幕を閉じた。





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