敵陣、侵入中！ �� ページ17
二試合目の神代の対戦相手は、先程新と対戦し新に敗北した、山城理音だ。
「「よろしくお願いします。」」
神代は、久しぶりの感じの良い人との対戦に胸を弾ませている。
ちなみに理音は、良彦を５枚差で敗北させた神代との対戦を緊張している。また、準クイーンの実力
を持つ伊織と当たらなかっただけよかったと思っている。
「さ・・。」
パンッ
「びしさに・・。」
桜沢先生は、神代の早業に驚く。自陣の一字決まり札は取らせないというモットーの理音陣から、一
字決まりの札を・・・。しかも「さ」を取れる人は誰もいなかった。その札を神代が取った。その衝
撃で、理音は７枚差をつけられてしまった。
あれ？ヨロシコ声掛けしてないじゃん。待って。綿谷君に食ってかかろうとしてるの？やめてよ。私
の対戦相手の藤宮さんも、なかなか手を抜けないんだもの。
ここは私が仕方ないから声掛けを・・・。
「み、みんな〜。次も一枚、一枚づつ取ってくよ〜。」
「「「「「「「「は、はい・・・。」」」」」」」」
誰も声張れてないじゃない！と桜沢先生は突っ込む。
理音の対戦相手の藤宮さん、バランスの良いかるたを取る人ね。バランスの良さなら、ここにいる誰
にも負けないんじゃない？感じもトップレベルだし、超加速も綿谷君並みに早いし。そもそも、かる
たをやる体づくりキチンとがされてるんだわ。体幹、全然ぶれないもの。
次の対戦相手、どうしましょう？もう一度日向君を当てさせようかしら。それとも、読手をやらせよ
うかしら。
そう桜沢先生が思っている頃には、神代は１５枚差をつけていた。
「「ありがとうございました。」」
二回戦 藤宮神代〇ー山城理音× １０枚差
今の富士崎の中で一番の実力を持つ山城理音が、負けた。
その衝撃で、二試合目は、9勝０敗で、藤岡東高校が勝利した。
「藤宮さん。声掛け、やらしぇてゴメンな。」
「だんねえ(大丈夫)。新さんは、かるたやりながら周りを見るのが苦手なようやで。」
「ようわかったね。」
「えぇ、まぁ・・・。」
神代は、声掛けをしようかしないかで迷っている新を見かねて声掛けをしたのだ。まぁ、高一の時に
見に行った東京都大会を思い出した方が、声掛けをしようとした行動に近いが・・・。
神代は時計を確認し、試合開始まであと５分だということに気付く。
「よし。最終試合も勝つざ、藤岡東！」
「「「「「「「「おっしゃあ！」」」」」」」」
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作者名：山野 紗世 | 作成日時：2021年12月11日 20時
