敵陣、侵入中！ �� ページ13
「皆起きて〜。富士崎高校着いたざ。」
運転をしていた菅野先生以外の８人は爆睡状態だ。
「ふぁ〜。あれ？菅野先生、神代、どこに行ったんですか？」
「藤宮は、途中のコンビニの前で降ろして朝食を買うた来てもろうてる。もうそろそろ十時になる
し、早う着替えてご飯食べるざ。ちゅうか、ほかのやつらも起きね。」
先に起きた伊織は、起きていない人を頑張って起こした。
「あ。菅野先生、おはようございます｡俺、来校受付してきます。」
「あぁ、頼んだ綿谷。」
そこは先生がいかないんかい！
と伊織は心の中で突っ込む。
「ただいま戻った。」
「神代、戻ってくるの早。」
「走り込み練習も兼ねて、帰り走ってきた。」
「ウソでしょ・・・。」
神代のあり得ない体力に、伊織は啞然とした。
「よし。じゃあ荷物降ろすか。皆早う起きて手伝うて！もちろん伊織もね。」
「「「「「「「はい！」」」」」」」
神代の大声で、皆が一斉に起きる。
とりあえず、急いで荷物を降ろすと、神代が買ってきた朝食を急いで食べる。
なんやかんやしていると、練習開始時間の10時が近づいてきたのだった。
「静岡県立富士崎高等学校競技かるた部の皆さん、こんにちは。福井県立藤岡東高校競技かるた部で
す。この度は、練習試合をこころよく快諾してくださり、ありがとうございます。4月に創部したばか
りの部活なので、まだ団体戦についてはよくわからない所が多いので、精一杯学ばさせていただきま
すので、よろしくお願いいたします。」
「「「「「「「「よろしくお願いします。」」」」」」」」
代表者挨拶的なことが苦手な部長・新の代わりで、そういうことに慣れっこな副部長・神代が話し
た。
「こちらこそ、よく学ばさせてもらうわ。ところで、部長は綿谷君のはずよね？」
「そうですよ。彼は代表者挨拶的なことが苦手なので、副部長の私がやっています。」
「そうだったのね。じゃ、練習始めるわよ。まず、グラウンド５周やってきて！」
はい！
と大きな声で答えたのは富士崎高校競技かるた部部員全員と神代のみ。それ以外の人は、数秒フリー
ズしてしまった。
はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・・。
体力があまりない方である理沙、千笑は、完走したとたん疲れ果てて、土の上に座り込んでしまっ
た。
「はいじゃあ、走り終わったら部室に戻って水分補給したら筋トレね！」
はい！
神代以外の藤岡東メンバーは、有り得ないという目で、部室に戻っていった。
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作者名：山野 紗世 | 作成日時：2021年12月11日 20時
