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光side
大「光くーん!元気だして?」
光「ごめんね、大ちゃん……迷惑ばっかかかて」
あれから、ずっと。
俺は、薮のそばに行けなくなってしまった。
近付いたら、俺だけじゃなくて薮までも
傷付けてしまうから。
俺は、こんな呪いの1つや2つに救いの光を
奪われてしまう。
そのくらい、俺は弱くて惨めな奴なんだ。
大「うーうん!迷惑なんて思ってないよ?
光くんは、なにも悪くないでしょ?」
そうなの、かな……俺は悪くないのかな。
いや、違う……
光「俺だよ……悪いのは」
俺と薮が出逢わなければ、薮を傷付けることも
俺の過去に縛り付けることもなかった。
大「ひか、るくん……」
光「きっと薮は、俺なんかと、出逢わなきゃ
よかったって……後悔してるよ」
薮が、傍にいてくれないと俺の思考はどんどん
ネガティブになっていく。
薮が、いてくれないと俺は前を向けないんだ。
大「そんなことない!
薮くんは、そんなこと言ったことないよ!」
光「薮は、優しいから……口にしないだけだよ」
またあの日みたいに、初めて会ったときみたいに。
また俺に触れてほしいと、願っている。
今にも、零れてしまいそうな涙をあの日ように
拭ってほしいと願ってしまう。
大「そんなことない!
光くんはっ、薮くんを信じてないの!!」
そんなわけない。
あの日からずっと、薮のこと信じてる。
ただ、不安なだけなんだ……
怖くて、苦しくて壊れそうなんだ……
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作者名:希望(ひかり) | 作成日時:2021年4月20日 5時