魔法にかかったキミを【2nd Story】 (ページ16)

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・ページ16

宏太side

上の段に差し掛かってしばらく。

もう、上の段の5分の1を読み切らせようという頃。

慧「や、やぶ、！」

宏「んあ？伊野尾、どうした？」

突然俺の名前を呼んだ伊野尾の顔は、なぜか

顔が真っ青と言うほど酷い顔をしていた。

慧「こ、これ、、これ…っ」

なんて、伊野尾は本を俺の方へと差し出して来た。

開かれているページには、タイトルと如く太文字で

〈人間関係を引き裂く呪文〉と書かれた。

そして、伊野尾が指を指す方へ視線を下ろすと

宏「 “ 解き方 ”……って。え、まじで？！」

なんて、叫ぶ俺と対象的に伊野尾の手はふるふる

と震えている。

それが気になって、本の文を読んで見る。

すると

宏「え、は？なん、で……」

そこには、

“ 呪いをかけられた相互のうち、どちらかが

相手との記憶を消去する。”

と、解く方法はそれしか記されていない。

“ 記憶消去 ” なんて、四文字が頭から離れない。

慧「こ、れ……どうしたら…っ」

そんな伊野尾の声が遠くから聞こえてるような。

そんな気がしてならなかった。

俺らは、結局……

宏「互いを傷付けなきゃ……

じゃなきゃ、元には戻れねぇのかよっ！！」

どっちが正解なのかなんて、分からない。

俺が、光を忘れたらいいのかも。

光が、俺のことを忘れたらいいのかも。