・ ページ14
宏太side
慧「薮ぅ、見つかった?」
宏「…いや、全然。そっちは?」
慧「こっちも全く。」
伊野尾の戦力方のおかげか別かはわからないが……。
約1,000冊あったうちの半分くらいは読み切ったと
いうのに手掛りは一向に掴めない。
慧「はぁ、下の方は制覇したしなぁ。
上の段の方行っちゃう?」
俺らは、本棚の下の段を片っ端から読み漁って
今に至るのだ。
宏「まぁ、その方が妥当だろうな。
仕方ないだろ、こうなった以上は……」
ふと、頭の中に一瞬だけれど光の笑顔が浮かぶ。
そして、俺の服の裾を掴む光が浮かぶ。
その一瞬の光に愛おしさが募る。
想いが降りしきって溢れそうになる。
俺は、次に読む本に手を翳して
宏「光……待ってろ。ちゃんと元に戻るから」
と気付けばそんなことを言っていた。
そして、言葉と一緒に本を手に取っていた。
慧「薮、きっと大丈夫だから。
そんな、浮かない顔すんなよ。」
光も吊られてそんな顔しちゃうよ?、なんて
言った伊野尾に「ごめん」なんて言葉が零れる。
慧「ははっ、なんで謝んの?笑
薮はなんも悪くないじゃん。」
だから、いいんだよ。って伊野尾のいつものペース
に呑まれていく俺。
そんな伊野尾に俺は「ありがと」と伝えた。
44人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:希望(ひかり) | 作成日時:2021年4月20日 5時