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宏太side
慧「うわぁ……もう、肩痛てぇ」
宏「ん?休憩すれば?」
俺は、肩を抑えて痛そうにする伊野尾を見て、
そう言ってまた本に視線を落とす。
慧「薮も、休憩すれば?」
なんて言った伊野尾に、俺は首を横に振る。
宏「いや、そんなんしたら読みきんのに時間が
足んなくなるから」
慧「それは、時すでに遅し…だろ笑」
なんて、笑う伊野尾に俺も苦笑い。
確かに、1,000冊以上ある時点で時間が足りない
なんてことは、決まっていた。
でも……
宏「でも、早く見つけたいんだ。
こんな、呪いに……脅かされ続けるなんて嫌だ」
慧「薮……」
なんて言った伊野尾に、気付かないフリをして
また本に視線を落とす。
慧「いっちょ、頑張るか〜っ!」
なんて、急に声を出した伊野尾に驚いて
また顔を上げた。
すると、伊野尾は何冊もの本を一気に開いた。
宏「おまっ、なにしてんの?」
慧「ん?こうした方がさ、見つかるスピードが
上がるでしょ?」
なんて、言った伊野尾に呆れて言葉も出ない。
でも、ほんとは感謝してる。
一緒になって悩んでくれて、考えてくれて。
宏「伊野尾………ありがとな」
慧「ん〜?なにが?」
宏「いや……なんにも」
なんて、調弄して。
俺は、また何度目かの本に視線を落とした。
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作者名:希望(ひかり) | 作成日時:2021年4月20日 5時