アネモネ【平野紫耀】 (ページ12)

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好きな人がいる、という力は凄いもので
金曜日までの仕事は自然と苦じゃなかった。

そして今日は金曜日。
朝からルンルン気分で会社に向かう。

「優奈～、おはよお～」

優「何、朝からニヤニヤして。何かあったの？」

「んーー、なんもないよ？？」

優「何もないって顔じゃないでしょ～」

優奈にほっぺをむにっとつねられる。
今は紫耀くんのことで頭がいっぱいで全然痛くない。

恋ってこんなに楽しいなんて、、

でも、紫耀くんは芸能人。このことを忘れてはいけない。振られることも頭に入れとかないと、

そんなこんなであっという間に仕事が終わった。

急いで家に戻り、私服に着替える。
紫耀くんのタイプの服ってどんなのだろう、鏡の前で色々着てみる。

「んーー、わかんない。」

そんなに流行に敏感でもないし、悩んだあげく
いつもの私らしい服装になってしまった。

そんな時スマホから着信音が。

「は、はい。もしもし？」

電話の相手は
『あ、Aちゃん？もう家出れる？』

相変わらずのハスキーボイスで耳が一気に幸せになる。

「うん、もう出れるよ。」

『じゃあ、マンションの下の駐車場にいるから黒の車があったら乗って。』

紫耀くん、車運転するんだ、、。
なんだか意外ででもかっこいいんだろうな、そう考えるだけで胸がきゅっとなった。