叶えたい夢をいつか…

#32:わがまま ページ32

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北「言って？」



かけられる優しい声音が

私の心を捉えて、離してくれない






『もっと知りたい！もっと、色んなこと､､､

知らなかった世界とか、行ったことない所とか

食べたことない物も､､､それにっ…！』




『……吉野さんに、もっと愛されたい………』





言葉と共に溢れ出した涙



気持ちを言葉にすると、

自分がどれだけ欲張りで、わがままなのか

よく分かったし、思い知った




『恋をしてみたい』なんて夢は

欲張りの階段の第1歩にすぎなかったんだ




1歩踏み出したら、もう止まらない


誰も止められないし、止め方を知らない





北「……いいんじゃない？わがままで欲張りでも

俺は､､､自分に素直なAちゃんのほうが好き」





何もかもを包み込んでしまうよな
あったかい言葉で、受け入れてくれた吉野さん





そっと髪を撫でてから親指で涙を拭ってくれる


大きくて、男らしくて大好きな手で
何度も、溢れてきて止まらない涙を拭いては
「もう泣かないでよ…」と困った顔で笑う





北「……俺は、何がなんでも離れないから。
これからは、隠し事はなしね？
したらお仕置だから、分かった？」



ｺｸｺｸ、と頷くと



北「じゃあ、俺からもわがままいい？」



って含み笑い









北「俺のこと、今度から北人って呼んで欲しい
あと、Aちゃんの全部が、欲しい…」









その言葉を聞いて、一瞬だけ下を向いたあと


私は、小さく頷いた…




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