グリム童話〈ars〉 (ページ10)

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和也｢ここの家に残っている宝石をもって帰ろう！｣

和也とAはポケットに詰め込めるだけ宝石を詰め込みました。

そして二人は何日もかかって、ようやく自分たちの家へと帰ったのです。

「お父さーん！お母さーん！ただいまー！」

「和也！」

「A！」

和也とAの姿を見て、お父さんとお母さんは涙を流して喜びました。

「ごめんよ…ほんとうにごめんよ。
もう決して、お前たちを捨てたりしないからね」

お父さんが謝るとお母さんも泣きながら言いました。

「お前たち、悪いお母さんを許してね。
お前たちがいれば食べ物がなくてもかまわないわ。飢えて死ぬ時は四人一緒だよ」

見るとお父さんもお母さんも、すっかり痩せこけていました。
二人とも捨ててきた子どもたちの事を思うと、あれからひとかけらのパンも喉を通らなかったのです。

和也「お父さんも、お母さんも、痩せたねえ」

和也はそう言ってAに目で合図をしました。
そして二人はポケットに入れていた物を取り出してニッコリ微笑みました。

和也「でも大丈夫!これで、お腹いっぱいご飯を食べることができるよ!!」

お父さんもお母さんも、二人が取り出した宝物を見てびっくりです。

それから四人は、お菓子の家から持って帰ってきた宝物で幸せに暮らしました。

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