グリム童話〈ars〉 (ページ31)

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智「ワ、ワッ、・・・ワニだあー！」

　フック船長は、あわてて隠れました。
　子どもたちが、こわごわ海をのぞいてみると。

子供みんな「あっ！」

　船にあがってきたのは、ワニではなくて雅紀くんでした。
　雅紀くんは、子どもたちをつぎつぎに助け出しました。

　もちろん、たいせつなAも。

智「うぬぬ、ワニかと思えば、おまえだったか」

　おこったフック船長が雅紀くんに飛びかかり、船の上ですさまじいたたかいがはじまりました。

　身の軽い雅紀くんが、短剣をビュン！
　それをよけたフック船長が、バランスをくずして。

智「うわああー！」

　フック船長は海で大口をあけていたワニに、パクリと食べられてしまいました。

　これで海賊船は、雅紀くんのものです。

『雅紀くん‥‥』

雅紀「‥‥‥‥」

『助けに来てくれてありがとう』

雅紀「‥‥‥‥僕は子供たちみんなのスーパーヒーロー雅紀くんだからね!」

海賊のいなくなった船の上，

「帆を上げろ―」

雅紀くんが言いました。

『どこかに出発するの?』

Aが問います。雅紀くんは言いました。

「ロンドンだよ」

彼はAたち３人が大人になることを許してくれたのです！

ニノミ「ほーら、やっぱり雅紀には俺が必要なんじゃん!笑」

　ニノミ妖精の粉をかけると、海賊船はフワリと空に浮かびました。

　いくつもの夜が過ぎ、いくつもの朝をむかえ、船はAたちの家へと進みました。

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