グリム童話〈ars〉 (ページ17)

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その頃、屋敷ではAを失った絶望に塞ぎ自暴自棄になってしまった主人と城を守るべく、蝋燭の二宮の一計で本物の家財道具になりすました召使たちは一斉に櫻井ら侵入者たちに反撃を開始、撃退することに成功します。

潤｢‥‥‥‥‥‥A｣

バンッ

櫻井｢さぁ忌まわしい野獣め!!
僕と戦え!!そしてこの世から消え去れ、永遠にな!!｣

騒ぎの中で、独り野獣の居場所を突き止めた櫻井は背後から矢を放って奇襲し動く気力のない野獣をバルコニーに追い詰めて徹底的に痛めつけました。

それでもなお、力なく倒れたまま野獣は反撃をするところか動こうともしませんでした。

櫻井がトドメを指そうとした時、

｢潤!!｣

駆けつけてきたAの声を耳にして生気を取り戻した野獣は櫻井に反撃を開始します。

ついに櫻井を追い詰め怒りと共にバルコニーから落とそうとした野獣。

櫻井｢お願いだ！！
命だけ、、命だけは助けてくれぇ!!｣

潤｢‥‥‥‥‥‥け｣

櫻井｢え?｣

潤｢出ていけ、ここから直ぐに立ち去れ!!｣

そう櫻井に言い放ったあと屋根を伝ってバルコニーに上るとそこにはAの姿が。

｢潤‥‥‥‥｣

潤｢A‥‥どうしてここに?｣

｢あなたの事が気になってしまったの‥‥
迷惑、だったかしら?｣

潤｢‥‥ちっとも。
ありがとうA｣

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