グリム童話〈ars〉 (ページ15)

今日:6 hit、昨日:8 hit、合計:51,519 hit

4 ページ15

.

こうして城に残ることになったA。

二宮｢あなたがAさんですか?｣

松嶋｢せやけどほんま大変やったな、あんたも｣

生田｢あの人も見かけはあんなんだけど実はいい人だから勘弁してやって?｣

と蝋燭の二宮や、古びた時計の生田、ポットの松嶋夫人ら家財道具に変えられた城の召使たちは快く受け入れもてなしてくれた。

Aも次第に気を取り直し城の生活になじもうと努力するが礼儀知らずで我がままな野獣の凶暴な振る舞いに耐えかね城を飛び出してしまう。

吹雪の中で野生の狼に襲われるが、すんでの所で駆けつけてきた野獣に救われます。

野獣｢大丈夫か?｣

｢‥‥私は平気です。
でもあなたが、、｣

野獣｢‥‥‥‥ああ、これくらい平気だよ。
君が無事でほんとに良かった｣

その事件をきっかけに、Aは醜く横暴な野獣の心の中に残る優しさに気づき野獣のことが怖く感じなくなってきました。

｢あなたお名前は?｣

潤｢俺は潤って言うんだ｣

二人が日々をともに過ごしていく中で野獣は徐々に人間らしい心を取り戻していき、Aに想いを寄せるようになりました。

そしてAもまた、野獣に惹かれていくのでした。

.