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いつ謝ろうか。どのタイミングで言うべきか。
などいろいろ考えていた。
しばらく歩いていると、
まるでタイミングを見計らっていたように
「雄也、ごめんね。」
母さんがぽつりとこぼす。
「え？」
と俺が母さんの方を見ると
母さんは悲しそうに
「母さんしつこいでしょ？
うざいって思うでしょ？「そんなこと」
「ううん。いいの。別にそう思われても。
でもね、これだけは覚えといて。
雄也がたとえ私を嫌ったとしても
私は雄也を絶対に嫌わないし、雄也の味方だよ。
お母さんさ、雄也が今日「ただいま」って
いつも通りに言ってくれたの嬉しかったよ。」
とまた花が咲いたように笑顔を見せる。
初めて母さんの本音を聞いた。
胸がぎゅっとしめつけられる。
「違う!!俺はママを嫌ったことなんかない!
ただ周りに流されて、自分の考えを貫きとおせなかっただけ!
だから、ママは悪くないし、むしろ・・・す・・・す・・・好きだよ。
だから、今までごめんなさい。許してもらえる「何言ってるの。」
最後までは言えなかった。母さんに遮られる。
自分が意地をはるより、母さんを悲しませる方が嫌だった。
いっぱい、傷つけた。悲しませた。
だから・・・せめて許されるかは分からないけれど
言わなければならない。
「言ったでしょ。雄也を嫌うことないって。
しかも、許すって何よ？私、雄也に怒ってるなんて
いつ言った？「でも、俺さんざんひどいこと言った「だから、
気にしてないって。雄也はこれからは今まで通りに接してくれるんでしょ？
だったらいい「でも「でもじゃない。じゃぁ今日の荷物持ってよ。
それでチャラ。」
と反論しようとする俺の唇に母さんはしーっと人差し指をあてる。
「何か言った？母さん何も聞いてませんっ!」
いたずらっこのように笑う母さん。
ふふっと俺までも笑みがこぼれてきた。
「子どもがそんなこと気にしない。
ほら、ご飯何がいい？」
「えー、じゃ餃子。」
「え？何でそれ侑李の好物じゃない。」
「いいの。」
((ただいまー。))
((あ、雄兄ぃママと買い物行ってーずるい!!))
((今度は皆で行こうね))
((うわー、今日は餃子だ!!))
((ぇっと、みんなごめんなさい))
((ふん、僕は許さないからねっ!))
((ほら、侑李も拗ねないの。))
((んもう、今度やったら許さないから!))
((長男、反抗期脱出しました))
((また8人そろっての賑やかな日々))
end
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作者名：鈴桜 | 作成日時：2019年4月29日 14時
