記憶 ページ33
ゆかりside
これ気づいてる？
勢いよく自分の体が流れていく。
手を伸ばして暴れる。
｢がぼっ｣
石に頭を打った。じんじんする。
痛い痛い
誰かお願い気づいて、助けて。
有一郎…
あれ、なんだろう、この光景
(見た事、あるような)
いや、ある。この川で、この光景を。
その日も、同じように溺れて
あれ？溺れたの？
頭をぶつけたからか、
頭がガンガンと痛む。
痛い痛い痛い。どんどん痛みが強くなる。
(あ)
(これ、見たことある)
小さい時にこの川に来た？
違う。違う。
これ、もしかして
(前世の記憶…)
妹が言っていた。
無一郎と前世で結婚してたって
もし、それが本当ならば
川の流れは緩やかになったけど
私は川の深いところで溺れてた。
・
・
・
・
何となく浮かぶ記憶。
私は誰かに抱き抱えられていた。
周りを確認しようと目を動かすと、
｢あぶ…？(ママ…？)｣
言葉が話せなくなっていた。
けど、私を抱き抱えているのは
ママだった。近くにパパもいた。
パパは何かを抱き抱えていた。
多分妹かな。
一体、なにが
｢ごめんね、ゆかり…
育てられなくて、ごめんね…！｣
｢うぇ？｣
体から温もりがなくなって、
ママとパパの泣いた顔が見えて、
気づいたら、私は
じゃぶん。
｢あぁう！ぐぅ…｣
川に、落ちていた。
いや、投げられた。
川の水を飲み込んでしまった。
記憶のはずなのに、苦しい。
手を伸ばしても落ちていって、
｢がぁうっ！｣
頭を打った。
私は死んだ。
そうだ、私は
妹の代わりに、死んだのかな。
そうだ。
私は妹の代わりに死んだんだ。
私たちは、双子だったから
お金が足りなくて育てられなかったんだ。
そうだ。思い出した。
全部全部。
昔は助けてくれなかった
今世も誰にも助けられずに
死んでいってしまうの？
いや、いや、いや！
死にたくない。
まだ生きたい。
妹ともっと話したい。
無一郎とも妹について話したい。
有一郎とももっと仲良くなりたいし、
好きな人も教えてもらいたい。
(でも)
もう無理かもしれない
私が意識を落とそうとした時
私の目には
(あれ)
有一郎が写ったような、気がした。
＿＿＿＿＿
今日は夜更新できなさそうなので
今更新しました
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紡葉(プロフ) - すみれ。さん» 楽しみにしてますね！ (2021年8月11日 10時) (
レス) id: 4b1992f2c0 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ。(プロフ) - 紡葉さん、今回も見ていただきありがとうございます！頑張って更新していこうと思います。 (2021年8月10日 15時) (レス) id: 32ccc8a882 (このIDを非表示/違反報告)
紡葉(プロフ) - 続編おめでとうございます！この作品も楽しみにしてますねっ！ (2021年8月10日 14時) (レス) id: 4b1992f2c0 (このIDを非表示/違反報告)
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