彼氏に蹴り〇されたので別人になって仕返しします★[中原中也]

１０話　美味しくないです ページ11

久しぶりの更新、お待たせしました！
まだ待っていた方はありがとうございます！
これからも頑張っていきます！
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

気づいたら、いつの間にか時間が経ってた。

与謝野さんが助けにやってきて、何とかベットに横になって。

差し出されたのはホットココア。

でも、どうしても飲む気になれなかった。

だけど、無理やり喉に流し込んだ。

甘くて美味しそうなその色が、泥水のように感じられた。

嘔吐きそうな喉を必死に押さえ込みながら、1口、また1口と喉に流し込んでいった。

何とか落ち着いて一息ついた時、与謝野さんがゆっくりと話し出した。

与謝野「さっきは悪かったねぇ。混乱させちまったかい？」

子供を宥めるような声で、優しく、鼓膜に直接響き渡るような声だった。

与謝野「今の気分はどうだい？ゆっくり話な。」

やけに気を使ってもらって、嬉しいけど、なんだか恥ずかしかった。

ゆっくり、言葉を選びながら、私は喉から声を絞り出して言った。

『なんか、みっともないなって……私、一応成人済みなんですけど』

苦笑いも付け足しながら冗談半分、自分の気持ちを丁寧に伝えると、与謝野さんはふっ、と、軽く笑ってくれた。

与謝野「問題無いようで何よりさ、それでさっきの話の続きだったねぇ」

与謝野さんが説明しようと口を開きかけた時、私の携帯電話がなった。

「ジリリリリリ」と、耳障りな音を鳴らしながら、携帯電話は取ってと言わんばかりに主張している。

与謝野さんが目で合図をしてくれたため、私はぎこちなく、携帯電話を手に取る。

そこにあった電話番号はーーーー981-8623-3519……



















中也の携帯電話番号だった。

11話 “オマジナイ”が切れそうです→←9話 こんな私は嫌いですか？

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す