突然と強制続【死穢八斎會】 (ページ12)

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突然40 温もりページ12

窃野や音本さん達の居る場所へはクロノさんの後をオーバーホールさんと二人で歩く。

無言のまま暫く歩き路地裏へと入ると窃野を含めた皆が揃っていた。

「A！怪我を治してくれて有難うな！」

窃野は私を見つけると今まで見たことがないような笑顔でお礼を言った。

そして、他の皆もお礼を言い始め何だかこちらが照れくさくなってしまった。

「お前が全員やったのか？」

個性を解除し世界に再び音が戻り、生き物が動き出す。何事も無かったかのように。

沢山の様々な音が私達の居る路地裏まで届いた時、
オーバーホールさんがそう聞いてきたので頷く。

彼はその後は何も言わず皆に視線を戻した。

私もつられて皆を見ると若頭であるオーバーホールさんの無事を喜んでいるのか何人か歓喜の声を上げていた。

「全てAのお陰ですね」

『そうですかね』

皆を見ているとこちらまで嬉しくなってしまい、頬を緩ませているとクロノさんが隣に来てそう言った。

彼も喜んでいるのが声で伝わる。同じ気持ちだと伝わってくる。

こんな状況だけを見るとあんな事があったとは思えない。

それだけ此処は今、暖かい空気に包まれているのだ。