突然と強制続【死穢八斎會】 (ページ11)

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突然39 組長さんページ11

『誰ですか？その…』

「組長ですよ。死穢八斎會の」

私は心底驚いた。組長さんの存在もどういう状態なのかも知っていたし、聞かされていた。

しかし、あの場所ではなく安全な場所に居るとばかり思っていたのだ。

組長さんは若頭のオーバーホールさんより立場が上の人。つまり、偉い人だ。

『じゃあ、早く助けないと…！』

「さっきも言ったでしょ。諦めて下さい」

『何故ですか!?』

オーバーホールさんにとってもクロノさんにとっても組長さんは諦めていいはずの人ではないはずだ。

そう思いクロノさんに反論しようとすると彼は私の名前をいつもより低い声で呼び、私を黙らせた。

「私だって助けたいですよ。でも、薬の効果がそろそろ切れるはずです。
今の内に逃げておかないと私達は次こそ終わりですよ」

親が子に言い聞かせるような声音でそう言ったクロノさん。

彼は本当は組長さんを助けたいと私と同じ事を思っているのが何となく伝わってくる。

しかし、状況が状況だ。いくら傷を元通りにしたと言っても全回復ではない。

「…他の奴等は何処に居る」

「こっちです」

仕方なく諦め、その場を去ることしか出来ないのだった。