突然と強制続【死穢八斎會】 (ページ9)

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突然37 想定外(※妄想) ページ9

オーバーホールside

ガキに負けた。両腕を失った。完成品と血清の二箱を奪われた。

「クソ…ッ！」

どいつもこいつも俺の邪魔ばかりする。

まずAを取引先の所へ行かせたのが間違いだった。
まさか相手側が渋り、交渉が難航するては誰も思わなかったはずだ。

Aが居れば。Aの個性があれば。
負ける事はあり得なかった。

結局、全てを失う事になった。何もかも水の泡となった。

ただ俺は俺を拾ってくれた恩人である組長(ｵﾔｼﾞ)に…

「報い、たかった…恩を……返し、たかっただけなんだ…
それなのに…」

『…随分、らしくない事を言いますね』

「A…なのか？」

気付けば俺の側にAが座っていた。

いつの間にか音も聞こえなくなっており、周りを見れば時間が止まったかのように火でさえ静止していた。

まるで俺とAの二人しか存在していないかの様に。

「お前の…個性か」

『そうです。遅れてしまってすみません』

Aはそう言うと傷口に直接触れ、みるみるうちに失ったはずの俺の両腕を元通りにした。

身体中にあった傷も消えていく。

「これが…お前の力なのか」