盲目の姫君【青】 (ページ8)

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数日前
俺は女と体を重ねていた

Aを抱きたい欲はあったけど、Aとこんな女を重ねながら抱くなんて到底できなかった。

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「な、俺のここにアトつけて」

とんとん、と指で鎖骨を叩く。

すると目の前の女は、驚いたように目を大きくさせた。ああ、せっかく作ったであろう二重まぶたが台無しやな

「なんでっ？流星、印は絶対つけちゃだめって言ってたじゃない」

「俺、特別な人にだけつけられたいねん

..だから、な？おねがい、」

みるみるうちに女の表情が変わっていく

嬉しさ、喜び、恍惚、___優越感

「今わたしは流星の特別として認められた」
「他の女とは格が違う」

大方、そう思っとるんやろなあ。

でもごめんな、俺おまえの名前すら覚えてへんねん。

女が俺の前に跨り、鎖骨あたりに唇を寄せる

ああ、これがAだったら？
Aが俺の体につけてくれたらどうしようか。

そんなことされたら俺は嬉しさのあまり失神しそうやな。

チクっとした痛みと共に、女が顔を上げる

「ふふ、流星はわたしのものって証拠」

「せやなぁ、よくできました」

女は簡単。
よくできたと褒めてキスをすれば大抵喜ぶ。
この女だって例外ではない。

このアトを見たらAはどう思ってくれるんやろか。

嫉妬でぐちゃぐちゃになって
俺を求めてくれたらええのに。

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満足そうな顔をして女は帰っていった。

暗い部屋、俺は慣れた手つきで携帯を操作する

女の連絡先を消去することに、微塵も罪悪感など感じなかった。