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「なんだ!?」

『わかんない、何だろう………っあ!あそこ!』


私が指差したのは防犯システムのセンサーだ。
センサーからはパチパチと火花が散っている。

『えっまさか…もう、!?』

警察の人が呼びの電気で館内を照らし、ショーケースを見やるとそこにはキッドカードがあった。

『あー!もう!!またやられたー!!悔しい!!』

「おいおい…んなことより早く追いかけねえと!」


奴はまだ館内か建物付近に居るはずだ!という声により、更に館内が混雑する。人の波に流され足がもつれてしまった私は思いっきり床に尻もちをつ………


『うわっなに!?』

「しーっ…」

『だ、誰!?まさか、』


声の主の確かめようと振り向こうとすると、目元を隠され身体が傾く感覚がする。一体何が起きているのかと確認するため身体を捩らせようとすると“おっと、動くと落ちますよ”という声が耳元で聞こえる。

背中と膝裏に当たる手の感覚。もしかして今横抱き…俗に言うお姫様抱っこをされてる…?脱出はしたいけど動いたら落ちると言われたせいで上手く動けない。…否、これはただの言い訳で、多分動きたくない…んだと思う。実際嫌ではないし…
なんてあるまじき不謹慎な気持ちを抱きながら悶々としてると、身体が地面に着く感覚がした。

『(ここに着くまで、殆ど振動なんてもの感じなかったな)』

そう考えていると、目元を隠していた布がはらりと解ける。私を運んだ者の正体を確かめようとあたりを見渡すが、そこに人影なんてものはひとつもなかった。
自分のいる場所を確かめようと立ち上がると、私の座っていたところには白いハンカチが敷かれていた。

『こういうことするの、やっぱり一人しかいないよね』

ハンカチを片手にスマホのライトであたりを照らすと、そこは展望台へと続く階段の踊り場であった。

展望台といえば…

『あぁそうだ!!呼ばれてたんだ!』

というかここに運んだのは彼だろうに、どうせ運ぶなら展望台までま送ってってよね

なんて不満を持ちながらも、ハンカチを胸元にしまい、キッドカードを片手に階段を登る。



***

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華月(プロフ) - milk tiramisuさん» ありがとうございます!!とっても励みになります;; (2019年5月6日 21時) (レス) id: 4a5a738660 (このIDを非表示/違反報告)
milk tiramisu - すごく好きです!このお話! (2019年5月6日 18時) (レス) id: d5e35b6f92 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:華月 | 作成日時:2019年5月3日 0時

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