13__side.KK ページ18
対峙した少女の表情は凛としていて、俺が今まで手にしてきた宝石と同等かそれ以上に綺麗な目をしている。
探偵だからなのか、それとも元の素質なのか。
そのまま見つめられて続けたら、ポーカーフェイスに隠れた心の中まで覗かれてしまいそう……そんな気にもなる。
目を合わせたきり離してくれない…離れさせてくれない目線に耐えかねた俺は、誤魔化すように彼女へと近づき話しかける。
「これはこれは、早かったですね。
にしてもそんなに必死に私をおいかけてくるなんて__
酷く気に入られたものですね」
そっと顔に触れ、顔を近付ける。
それなのに彼女は一切の動揺を見せず、捕まえられた視線は離してもらえなかった。
『私は探偵。貴方を捕まえるためにここまで追いかけて来たの。宝石を___』
返して。
その一言を聞く前に、俺は彼女の首に例の宝石をかけた。
「お返ししますよ」
先程まで一切表情を崩さなかった少女が一転、驚いた顔になった。まるで、手品かなにかを見せられたかのような、そんな表情に。
そして俺は1つ賭けに出た。
落ちるか避けられるか…
「また逢いましょう名探偵?今度は宝石だけでなく、貴方の心も奪って差し上げましょう」
そんな気障なセリフを吐きながら、1つの願いを込めて左手の薬指にキスを落とす。
願い___
まるで、こどもみたいな、いたいけなねがい
___俺のことをすきになりますように
心を奪われたなら取り返すのではなく、
こちらも奪えばいいんだ
...
「そーいや、さっき学校の前で手品見せたときもあんときと同じように驚いてたなぁ。」
探偵以前に、あいつもひとりの女の子だもんな
Side__KK fin
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華月(プロフ) - milk tiramisuさん» ありがとうございます!!とっても励みになります;; (2019年5月6日 21時) (レス) id: 4a5a738660 (このIDを非表示/違反報告)
milk tiramisu - すごく好きです!このお話! (2019年5月6日 18時) (レス) id: d5e35b6f92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華月 | 作成日時:2019年5月3日 0時