11＿＿side.KK ページ16
休み時間になると、Aが電話で“キッド”について話し出す。無意識に見つめてたらいつの間にか話が終わったらしく、Aの方から話しかけてきた。
それをきっかけに、俺はその“キッド”の話を振ってみた。
「お前もそのキッドとか好きなのか？」
すると明らかに動揺した様子でそういうのではない、という意思表示をされる。
なーんだ
あの日の夜の効果、バッチリじゃん。
俺は何も察しなかったように、お得意のポーカーフェイスで返答した。
……
彼女と、“怪盗を始めてから”初めて出会った夜を思い出す。
あの日、彼女に出会ったのはまさしく【運命】ではないか…と思っていた。
理由としては、彼女と会った瞬間、どこかで会ったことのあるような気がしたというのが一番の理由だ。まぁ人間自分に似た人が3人はいるというもので、俺もその彼女に似た人とどこが出会ったことがあるだけかもしれない。最初はそう思っていた。
だが、彼女と対峙する度、なんだか懐かしい記憶が蘇るような…そんな気がした。
ある日、俺は幼馴染である中森青子にひとつ聞いてみた。
「なぁ、俺らが小さい頃さ、俺達二人以外に誰か…もう一人仲の良かった女の子とかいなかったか？」
「えぇ？女の子？もう、快斗って本当女の子が好…き……あれ、そういえばいたような…いなかったような？でもなんで急に？」
「いや、この前ふと昔のこと思い出しててさ。俺ら以外に誰かいたような気がしてきて…お前も曖昧なのか？」
「うーん？…居たって言われるとそんな気がしなくもないというか……なーんだろ、その記憶だけすっぽり抜けてるみたい」
この日、俺は一つの確信を抱いた。
自分でもなんで急に思い出したかわからないが、あの子にあった瞬間ふと心当たりない記憶が過ぎったんだ。
「俺達にはもう一人女の子の幼馴染がいて、その子に関わる記憶がなぜか薄れていること。そしてあの子がそこに関わっている可能性があること。」
そんな、記憶がない上での少し曖昧な確信であった。
「あー！思い出した！」
「うぉっ！？んだよデケー声出して！思い出したって何がだ？」
「その女の子のこと！快斗確か、その子のこと好きじゃなかった？うーん曖昧なんだけど…快斗の初恋の子じゃないかなあ」
初恋？俺の？
ううんと頭を捩らせつつ、思い出そうとするも、やはりその部分にだけ何か靄がかかってうまく思い出せない。
そんな日々を過ごしていく中、俺はあの日を迎えた。
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華月(プロフ) - milk tiramisuさん» ありがとうございます！！とっても励みになります；； (2019年5月6日 21時) (
レス) id: 4a5a738660 (このIDを非表示/違反報告)
milk tiramisu - すごく好きです！このお話！ (2019年5月6日 18時) (レス) id: d5e35b6f92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華月 | 作成日時：2019年5月3日 0時
