春の5日目 ページ7
「え,?」と、当然の事だが頭の上にはてなマークを浮かべ,目を白黒させる彼女。
それに思わず笑みが零れるも「駄目かな」なんて首を傾げて尋ねてみる。
すると、Aは暫く黙り込み何かを考え始める。
「善いよ,但し怒られる時は君も一緒ね?」
「解ってる」
こてんと首を傾げて,しぃ、と言う様に唇に人差し指を当てる。一歩間違えれば所謂ぶりっ子という者に成るが,彼女は其れすら様に成る。
中々にモテそうだなぁ,等と考えていれば、突然がらりと云う音がした。
「嗚呼疲れたあ〜」
「太宰さん!?」
真逆の太宰さんこと,太宰治先輩が来たらしい。
授業は如何したのか…は愚問だろう,どうせサボって来たんだろう。
太宰先輩は其の儘ベッドに入ろうとゆっくりと歩き出す。するとAを見つけた様で,にっこりと笑みを浮かべると「君は?」と優しい声色で声を掛ける。
大抵の女子は之で惚れるが,Aはそうは行かないらしい。
「A・キャロル,と云います。ジャージの色からして先輩ですよね,宜しくお願いします」
にこ,と笑って解釈しては行儀良く御辞儀をする。
それは素人目にも判る程礼儀正しく,動きに無駄が無い。
太宰先輩も思わず其れに見惚れると,暫く固まっていては「太宰,先輩?」と云う声掛けにはっと意識を取り戻し,「嗚呼,宜しく頼むね?私は太宰治と言う。フランクに治とでも呼んでくれ給え」と何時もの調子で謂う。
Aは其れを軽く聞き流すと「そうだ,ずっと静かでいるのも何だしお話でもしようよ!」とぱん,と愉しそうに手を合わせて、にっこりと笑いながらそう告げては既にわくわくした様子で,有無を言わさぬと言った感じだ。
「ということで第1回雑談大かーい」
「どんどんぱふぱふー!」
若干ふざけ半分で始まった会。
…これ、終わるのか?
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作者名:顎&ゴリラ x他1人 | 作成日時:2017年4月13日 18時