16 ページ16
彼を担当することになった藤川だったが、ブラジャーを愛用する中年男をどうしても色眼鏡で見てしまう。
若干引いた目で自分を見る藤川とAに、
小村「いいか、俺はな、ホ○でも変態でもない。ただブラジャーが好きなだけなんだ！」
藤川「いや、その…それはそれで、はは…別にいいんじゃないかと思いますけど」
A「そ、そうですよ！趣味は人それぞれですし…ね！…うん！」
小村「バカ野郎っ、いい加減なこと言うんじゃねぇ！女の方はともかく、お前、1度でも着けたことあんのか、ブラジャーをよ！」
A「っぷ！笑 」
小村「いっぺん着けてみろ、お前も！ブラを着けるとよ、なんかこう、解放された気分になるんだよ。自分自身からも、いろんなプレッシャーからもな」
うっとりした表情になってブラの魅力を語る小村に、藤川はそれ以上かける言葉を持ち合わせていなかった。
そもそも今は、この中年男とブラジャー談義をしている場合ではないのだ。
打撲した胸部を調べるために、小村にMRIを受けさせなければならない。
A「小村さん、ブラ話はともかくとして、とりあえずMRIに入りましょう。ね？」
だが、いざ検査を始めようとしたとき、小村に異状が発生したのだ。
顔面が蒼白となり、ガタガタと大きく震え始めた小村に、藤川が慌てて訊く。
藤川「ど、どうしました、小村さん！？」
小村の呼吸がみるみる荒くなって、そして突然、台の上で上体を起こすと___
小村「うう…ああああああああっ！！」
中年男の悲鳴がMRI室いっぱいに響きわたった。
その日の夜。
ナースステーションで向き合って座る、白石と藍沢、そしてAの姿があった。
横田英子のX写真を見ながら、藍沢が白石に言う。
藍沢「患者の彼氏って男から話を聞いた。人当たりがよくて、表面上は優等生タイプ…お前そっくりだな」
藍沢の迅速な行動に驚きながらも、その棘のある物言いにむっとする白石。
白石「それ…どういう意味？」
それには答えず、藍沢は今、必要な言葉のみを続ける。
藍沢「彼氏に必要書類を書いてもらったら…左利きだったよ」
白石ははっとした。
横田の鼻は向かって右側へくの字の逆に変形していたのだ。
A「それってやっぱり…」
Aの言葉に藍沢は頷くと、結論づけた。
藍沢「左の拳で殴られたんだな」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 72人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか？ (2019年9月9日 0時) (
レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - asamilkさん» ありがとうございます(//∇//)読者の方のイメージから脱線しないよう頑張ります！笑 (2017年10月22日 23時) (レス) id: dd000cbb66 (このIDを非表示/違反報告)
asamilk(プロフ) - ゆっこさんの書くヒロインちゃんが好きです。更新楽しみにしてます^ ^がんばってください！ (2017年10月22日 22時) (レス) id: dc820a982e (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - 夕衣さん» あ、ほんとですね！大事なところ、丁寧に教えていただいてありがとうございますm(_ _)m訂正してきます！ (2017年9月25日 21時) (レス) id: dd000cbb66 (このIDを非表示/違反報告)
夕衣(プロフ) - 「○○サイド」のサイドのスペル「side」です。「said」じゃありません。 (2017年9月25日 21時) (レス) id: 6ad02585f3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆっこ | 作成日時：2017年9月24日 19時
