Allies are Wizards - ACT 5 ページ13
水色の髪の男。
その存在を、私は知っている。
クラスメイト、というか友人である清浄は、肋骨あたりまで垂れる浅黄色に近い色の髪を細くとって、さらりと一つに結んでいる。
女の私からでもかっこよく、というか美しく感じられる男だ。
異世界の聖杯戦争の参加者の友人よろしく生徒会執行部最高幹部の生徒会長、の仲の良い友人である彼は、近場という点に於いて最も優れた寺『清浄寺』の跡取り、ないし僧、お坊さんなのだ。
仏教の教徒という訳ではないが、神やご英霊、英雄などの知識はこの『聖杯戦争』に参加するにおいて必要不可欠、避けて通れない文化だとは思っているので、私は週に二度ほどのペースで清浄寺に通っていたのであった。
二つの教えは決して同一の物ではないが、遠くかけ離れたようなものでもない。
確かに、彼の口からも話を聞いたことがあった。
「シヴァとマーラとパールヴァティーの話を聞く、だって?びっくりだよ!キミさ、前はあんなに嫌そうな顔して聞いてたのに!なぁA?」
彼の父も聖杯戦争の参加者で、次の代になったら参加することになるだろうと呟いていたのを聞いたことがある。
「ああ僕が召喚するとしたら?誰だろ、インドラとかカーマとかか……??いや、違うな………
うーん……あ、ラクシュミーとかだったら、楽しそうではあるよな。」
大黒天とか吉祥天のほうが俺的にはしっくりくるけどな〜、とか言っていた彼の言葉を思い出す。思い入れのある神様だそうだ。
文献を取り出しこんな事も言っていた。
「俺の親父は誰だったかな、んん、なんだこれ、
おかしいな。
あれれ、と一人首を傾げた。
アーチャーの名が、思い出せない。
そのとき聞いた名前に違和感は無かったのだが、記憶として呼び戻すととても気持ちの悪いことだった気がするのだ。
とりあえず、「すぅ」、と深呼吸して、これからのことに思いを馳せる。
マーリンとアーサーの未来は定められた運びとなってしまうのか?
少女、フウカちゃんを元の世界へと戻すことはできるのだろうか?
この高度で理解し難い会話の歯車が噛み合うのは、一体、いつなのだろうかと。
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作者名:すずみそ | 作成日時:2020年8月14日 9時