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ASide......




「セブルス・スネイプだ。」


ぶっきらぼうに返す彼。



『知ってる。
 同じ学年だし同じ寮だもの。
 あなたも私のこと知ってるでしょ。』


そう俯きながら私は言う。

彼も私のことを殺人者、
闇陣営の加担者だと思っているのだろうか。


「あぁ、知っている。」


『だよね、、、。
 なんか話しかけてごめん。』



彼の表情を見れない。
これ以上話しかけられるのは
迷惑だろうか。

やはり私は厄介者だと思われているのか。


彼はしばらく無言だったのでもう
会話することはないのかと思っていたら
隣から声がした。



「別に迷惑ではない。」


『え?』


「噂話は信じていない。
 本人が認めてもいないことを
 周りの者たちが騒ぎ立てるのは
 あまり好きではない。」


『あ、うん。』



「薬学の実験と同じだ。
 実際に試してみないと薬の本質を
 見抜けないように
 人の噂も本人に聞かないと
 分からないこともある。

 それかまさか、お前は本当にあの
 噂通りの奴なのか?」


『いや!全く!
 私は彼女の死に関与していない。
 あなたが私についてどういうイメージを
 持ってるから分からないけど、
 私はあの事件について何も知らないわ。』


「そうか。
 君がそう言うなら僕も噂のことは
 気にせず過ごす。
 また何か質問があればいつでもしていい。」


相変わらずぶっきらぼうで
ボソボソとした小さい声だか
どこか温かい言葉に救われた気がした。



『ありがとう、スネイプ君。』




普段談話室で見かける彼はいつも一人で
読書をしていたのでこんなにも
一瞬で打ち解けられるとは思っていなかった。


私は少しでも頼れる相手ができて
嬉しかった。






「それよりその手はどうしたんだ。
 少し転んだくらいじゃ
 そんなことにはならないだろう。」




『あ、これね、シリウス・ブラックという人が
 ぶつかってきて倒れたの、、、。』



ブラックの名前を出した瞬間スネイプ君の
顔が険しくなる。



「なに、、、?
 あいつら、これは悪戯というレベルでは
 済まされない話だぞ。」


彼らに相当な恨みでもあるような言い方。






『スネイプ君もなにか悪戯されたことあるの?』


そう言うと彼の顔は一層険しくなった。
私が睨み付けられているようで怖くなった。
彼には触れて欲しくないことだったのか。

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作者名:maya.t | 作成日時:2020年10月30日 15時

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