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「あら、珍しいお客さんですこと。」




医務室に来るのは1年生の時に
熱を出した以来の2回目。



マダムポンフリーは

「確かに骨が折れていますね、でも
 これを飲めば一日、二日で治りますよ。」

と笑顔で薬のゴブレットを渡してくれた。




この世のものとは思えない色の液体を
喉に流し込めば、それは見た目ほど
悪い味ではなかった。


丁寧に二本の指を固定し、包帯を巻いてくれた。
そしておまけに三角巾まで首から下げた。



『こ、これは大袈裟ではないですか?』

と言えば


「何事も無理はいけません。
 指だからといって侮ってはいけませんよ。
 動かさないことがなにより早く
 治癒する鍵なのですから。」

と笑顔で返された。


「さぁこれでいいでしょう、
 魔法史のビンズ教授には私からあなたの
 怪我について報告しておきます。
 なのでそのまま二限目から出なさい。
 間違っても左手を動かしてはいけませんよ!
 回復が遅くなりますからね!」


と言うマダムに苦笑いしつつ
感謝の言葉を述べ、医務室を後にした。








『次は魔法薬学か。』






授業まで少し余裕があったので
今では一人部屋になってしまった寂しい
自室に戻り薬学の教科書を取ってきた。




地下牢にある薬学教室に入ると
既にスリザリン生が何名かいた。

後からもゾロゾロと生徒が入ってくる。


Aの手の様子に皆気づいてはいたが
あえて誰も聞こうとするものはいなかった。






Aが一番後ろの席に座ると、
授業開始ギリギリに一人の男子生徒が急いで
入室し彼女の隣に腰掛けた。


肩まで伸びた黒髪にひょろ長い手足。

学生特有の明るいオーラは一切纏っておらず
どちらかと言えばジメッとしたこの教室が
似合いすぎるくらいの彼。


セブルス・スネイプだ。




息を切らして入ってきたが
着席して呼吸を整えているようだった。

その足元は水で濡れていた。





どうしたんだろうと思っていると
スラグホーン教授が入ってくる。


「やぁみんなお待たせ。
 今日は縮み薬の復習をしてもらおう。
 隣同士ペアになって早速始めてくれ。」

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作者名:maya.t | 作成日時:2020年10月30日 15時

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