検索窓
今日:7 hit、昨日:4 hit、合計:91,680 hit

...17 ページ17

隣のイケメン君といえば
なんだぁ〜なんて言いながら頭の上に
腕を組んで笑っている。


Aからしてみると、あんな事故さえ
なければこの男と話すことなんてなかったし
そもそも私から話しかける場面など
一度もなかった。


モテ続けるとこういうことになるのか。

出会う女性全てを運命の人だとか思っているのか。


Aは呆れていた。


ブラックはひとしきり笑った後、再度
こちらに目を向ける。




「でも、怪我させてしまったことは
 本当に悪いと思っている。
 許してくれ。」


『許すもなにも、怒っていない。』


「そうか、、、、」



しばしの沈黙。
Aはもうここを出て行こうかと思った。

席を立とうかというその瞬間、
ブラックが話しだした。




「お前は一人で寂しくないのか。」


『え?』

「お前のこと全く知らなかったから、
 この一週間どんな奴か見させてもらった。」


『なにそれ、盗み見るなんて
 それこそ紳士としてどうかと思うわ。』



「いや違う、盗み見るなんてしないさ。
 廊下や教室で見かける時にちょっと
 気をつけて見てただけさ。」



『あんまり変わらない気もするけど。
 隠れて見られるのってあまり
 いい気はしないわ。』


「気分を害したなら許してくれ。
 でもお前、一人じゃないかずっと。」


『だって、あなたも知ってるでしょ私の噂。』


あぁこんな話つい先日にもスネイプと
したな、なんて思いながら話す。



「そりゃ耳にしたことはあるけど、
 走ってとんできた俺を避けられないほど
 ほどボーッと歩いてたり
 こんな幽霊ごときに怖がってるやつに
 人を殺せると思えないね。」



『それただの悪口じゃない?』

なんて少し笑って言うと



「そう、それだ。」


とAを指差して言う。

どういうことか分からず首を傾げていると
ブラックは真っ直ぐにAの目を見て言う。


「こんなまともに話したことがない
 俺と一緒にいても笑ったり冗談を
 聞いてくれる君が、一人でいて平気なはずない。
 本当は話せる相手が欲しいだろう。違うか?」


『なにそれ、、、。』


最近では一人で当たり前、と思っていたので
いきなり寂しいかなんて聞かれて
自分の気持ちが分からなかった。


俯いているAにブラックは
優しく語りかける。



「俺は、お前が本当に一人でいたい奴なら
 今日来ないだろうと思った。
 俺のことなんて無視してこれからも
 一人で過ごしていくだろうとな。」

...18→←...16



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (32 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
95人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:maya.t | 作成日時:2020年10月30日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。